平成 2年 1月14日(日):初稿 平成18年 1月 2日(月):更新 |
1 相続される財産の範囲は 原則として、被相続人に属していた一切の財産が相続の対象となります。 現金、預貯金、不動産等のプラス(積極)財産の他に、借金や商品を引渡す義務等のマイナス(消極) 財産も相続の対象となります。 相続されない権利義務は、その性質上その人にだけ属するもの -例えば、離婚を求める権利、 扶養権、タレントの出演義務に限られます。 2 死亡退職金は 死亡退職金の受給権者が、予め契約や法律で定められているときは、定められた者の固有の権利に なり、相続財産にはあたりません。 但し、相続人の誰かが死亡退職金を受け取った場合は、遺贈があった場合のように特別受益として 取り扱うべきとの見解が有力です。 3 生命保険金や遺族年金は 生命保険金請求権は、保険契約の効果として発生するもので、死亡した人自身の財産ではないので 相続財産にはあたりません。 但し、遺贈があった場合と同視して、相続分算定の際にその全部または一部について受取人の 特別受益として扱うべきとの見解が有力でしたが、最高裁は原則として特別受益には当たらないと判断しました。 保険金受取人を相続人とした場合は、保険請求権発生当時の保険契約者の相続人たる個人が 受取人となります。 遺族年金、遺族扶助料も考え方は同じです。 尚、受取人を被相続人と指定した場合は、保険金請求権は相続財産になります。 4 葬儀費用、香典は 葬儀費用の負担者について、香典の帰属について法律の定めはありません。 いずれも相続財産にはあたらず、相続人間で話がつかない場合は、慣習や条理によって 判断するしかありません。 常識的にいずれも喪主に帰属すると考えられます。 5 お墓や仏壇など祭祀財産は 祭祀財産は相続財産にはあたらず、祖先の祭祀を主宰すべき人(祭祀承継者)が単独で承継します。 祭祀承継者は、第一に被相続人の指定で、第二に指定がなかった場合は慣習で、第三に慣習も 不明の場合は家庭裁判所で定めます。 祭祀承継者は相続人には限りません。 以上:855文字
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