平成31年 1月20日(日):初稿 |
○相続税の申告が必要な人とは、被相続人から相続などによって「財産を取得した人それぞれの課税価格の合計額」、「相続税が課される財産(みなし相続財産等)」の価額の合計額から債務と葬儀費用の合計額を差し引いた金額が、「遺産に係る基礎控除額」を超える場合、その財産を取得した人は、相続税の申告をする必要があります。 ○「遺産に係る基礎控除額」とは、 3000万円+600万円×法定相続人の数(平成27年1月1日以後の相続) とされています。 平成26年以前は 5000万円+1000万円×法定相続人の数 ○今般、相続人が本来5人の兄弟姉妹だけでしたが、この5人の兄弟姉妹は、相続開始前に死去して、各4人ずつ居る代襲相続人が相続人となる珍しい事案の相談を受けました。法定相続人の数について、本来の兄弟姉妹だけとすれば、5名だけですが、代襲相続人となると全部で20名になります。 ○「遺産に係る基礎控除額」は、 法定相続人の数を本来の兄弟姉妹5名に限定すると3000万円+600万円×5(=3000万円)=6000万円ですが、 代襲相続人の数とすれば、3000万円+600万円×20(=1億2000万円)=1億5000万円になります。 「遺産に係る基礎控除額」での「法定相続人の数」は、本来の法定相続人なのか、代襲相続があった場合、代襲相続人の数かについて、ネットで解説がないか調べました。 ○相続税を徴収する税務署の立場からすれば、本来の相続人の兄弟姉妹の数に限定した方が良いでしょうが、「法定相続人の数」を素直に解釈すれば、代襲相続人が法定相続人になったのだから、代襲相続人の数とすべきとも思います。ネットには、「遺産に係る基礎控除額」の解説は山のようにありますが、この点に関して明確に解説したものはありませんでした。 ○そこで、知り合いの税理士さんに確認したところ、最終的には、国税庁の通達によって、代襲相続人の数と解釈されているとのことでした。前記例では、法定相続人の数は、代襲相続人全員の数20名となり、基礎控除額は1億5000万円になります。国税庁HPの「相続税法基本通達」の「15-2 法第15条第2項に規定する相続人の数」の中に、代襲相続が発生した場合、被代襲者は関係なくなり、代襲相続人の数となると明記されています。 以上:943文字
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