平成30年 3月 7日(水):初稿 |
○「一人っ子で相続人なくして亡くなった方の供養等方法如何1」の続きです。 一人っ子で相続人なくして亡くなったAさんについて、警察の要請でその遺体を引き取り、火葬・納骨等済ませ、今後も供養をしていきたいと希望している従兄弟のBさんが、Aさんの3000万円相当の遺産預貯金・不動産等を使う方法について相談されました。この方法について、同様の事例で過去に当職が担当した相続財産管理人選任申立書を紹介します。 ○この事案では、相続人亡くして亡くなった被相続人Aさんの叔父さん当たるBさんが、Aさんの葬儀・法要等行い既に支払済みの約218万円、相続財産管理人選任申立弁護士費用、今後の墓石建立費用、法要費用等207万円の合計約418万円の支払を相続財産管理人に求め、最終的には、家庭裁判所の許可を得て、全額、相続財産管理人から支払を受けました。 ○当初、叔父さんが特別縁故者にならないかと相談されましたが、「相続財産管理人の実務-特別縁故者の要件等」記載の通り、その要件は結構厳しくまず該当しないことが明らかでした。そこで、せめてこれまでのAさんのために費やした費用・将来の法要費用等を相続財産管理人から支払って貰うために相続財産管理人選任申立をしてその目的を達しました。 ****************************************** 申立の趣旨 被相続人の相続財産の管理人を選任する審判を求める。 申立の実情 1.被相続人に対する申立人の債権 (1)被相続人との関係 申立人は、被相続人亡Aの実父亡C(平成22年○月○日死去)の末弟であり、叔父の関係にある。 (2)被相続人の葬儀等の立替費用 被相続人は、平成24年○月○日死去したが、被相続人の実母Dも平成23年○月○日死去しており、被相続人には相続人が居ないため、亡Cの本家に当たる申立人が喪主となって、平成24年○月○日、東京都板橋区の株式会社○○において葬儀を執り行った。その葬儀等開催のための立替費用は以下の通りである。 ①葬儀会場使用料等(法要も含む) 金66万1884円 ②葬儀社葬儀代 金102万0600円 ③龍雲寺お布施・礼金 金21万5000円(領収証なし) ④墓地購入代金 金5万円 ④戒名代・四十九日・百日法要費用 金35万円(領収証なし) ⑤相続財産管理人選任申立弁護士費用 金31万5000円 以上、葬儀等関係費用は合計金261万2484円かかっており、参列者数十名からの香典43万6000円差し引いても、計217万6484円を申立人が負担し、被相続人相続財産に対し立替費用請求権を有する。 (3)今後の法要手数料等 ①墓石建立工事代金 金147万円 ②50回忌までの法要等費用 金60万 2.被相続人の死亡と遺産等 (1)被相続人の死亡及び相続人の不存在 被相続人は平成24年○月○日死亡し、別添戸籍謄本記載の通り、結婚歴はないことから子もおらず、両親は、上記の通り死去しており、兄弟姉妹も存在せず、相続人が存在しない。 (2)申立人が利害関係人 前1.(1)、(2)記載の通り、申立人は被相続人財産に対する立替金請求権を有する利害関係人である。 (3)被相続人の遺産 現在判明している被相続人の遺産は、別紙遺産目録のとおりである。 しかし、申立人において把握し兼ねるところがあるので、保険契約の有無や別紙遺産目録記載以外の預貯金等の有無、未納公租公課等については、相続財産管理人おいて調査されたい。 3.結論 よって、申立人は、被相続人財産利害関係人として、相続財産管理人の選任を求める。 添付書類 1.申立人の戸籍謄本・戸籍の附票各1通 2.相続関係戸籍謄本等原本一式 3 被相続人戸籍の附票1通 4.相続関係図1通 5.土地登録事項証明書2通 6.建物登録事項証明書1通 7.平成24年度固定資産税・年計画税納税通知書写し1通 8.通帳写し 9.証券会社関係疎明資料写し各1通 10.立替金関係請求・領収証写し各1通11.香典帳写し1通 12.財産管理人候補者の戸籍謄本、住民票抄本各1通 13.委任状1通 以上:1,656文字
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