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”田中角栄 私の履歴書”紹介-寛容の精神・基礎研究準備の重要性

令和 6年12月29日(日):初稿
○「”田中角栄 私の履歴書”紹介-恩師草間道之輔先生の言葉」を続けます。令和6年12月15日Amazonで代金1万8600円で発注し、同年12月25日届いた昭和41年5月1日発行定価260円の中古品「田中角栄 私の履歴書」を全部読み終えました。書き込みは全くありませんでしたが、右横棒赤線を引いてある箇所が2箇所ありました。90頁2行目の「勉強・暗記・努力・精進」、「「学無近道(がくにちかみちなし)」と教えた草」の他に、127頁末尾から128頁2行目までの「どんなことにでも入念な基礎研究と周到な用意のもとに行われる実験が重なってこそ、はじめて成功というものが存在する」です。

○その他にうっすらと右横棒線を引いた箇所は「どんな人のことでも不注意による過失については、絶対にこれをとがめずの原則を立てたし、妻や子供にも強くこれを求めている」でした。この箇所は、角栄氏の人間操縦術の原点となったとも言える場面です。角栄氏は、高級カットグラス等を輸入してデパートの卸す高砂商会に勤務していたとき、自転車に納品するカットグラスを積んで納品先に向かう途中で自転車ごと横転しカットグラスを粉々にし、その賠償を社長夫婦に申し出ると、社長夫妻は「けががなくてよかった。すぐに代わりを届けてくれてありがたかった。損はかせげば返せるからくよくよしないように」と温かい言葉で慰められ、月給から弁償金の控除もなかったことに感激したときに決心したのが「過失は絶対にとがめず」でした。

○角栄氏はこのときの社長夫妻の寛大な扱いで奮起し、損失をつぐなって余りあるほどの販売実績を上げ、恩を受けた者は、それにもまして感謝を返す気持になるという事実を知り、他人を動かすには、厳しい叱咤激励よりも温情がはるかに勝っていることを、肝に銘じます。この箇所は、津本陽氏著「異形の将軍 田中角栄の生涯」にも記述されています。この著作は、2002(平成14)年11月発売と同時に購入してシッカリ読み込んでいましたが、「田中角栄 私の履歴書」をシッカリ参照しながら記述していることが良く判ります。

○「どんなことにでも入念な基礎研究と周到な用意のもとに行われる実験が重なってこそ、はじめて成功というものが存在する」の箇所は、角栄氏が19歳の時に立ち上げた建築事務所を立ち上げたときに事業に深く関わった理化学研究所の研究室での感想です。「田中角栄 私の履歴書」127頁末尾4行に「研究室の人たちは実によく働き、来る日も来る日も朝から晩まで研究と実験に没頭しているふんいきの中で数多くの人を知り、そのうえ様々なことを学んだ」の続きの感想です。何事も徹底して取り組む角栄氏の姿勢の原点となったものです。角栄氏の言葉「何事も相手に対して手を抜くな。誠心誠意、全力投球で向き合うことだ。それが最大の気配りということだ。真の信頼関係はそうした中から生まれる」の原点で、「田中角栄 私の履歴書」は角栄氏研究の原点と認識しました。
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