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渡邊大司先生の思い出-仙台弁護士会会報訪問シリーズから

平成29年10月29日(日):初稿
○「渡邊大司先生の思い出-追悼文の渡邊大司講話から」の続きです。ここでは、片平法律事務所の角山正弁護士が記述した34期司法修習時の大司先生講話メモ抜粋を紹介しました。今回は、仙台弁護士会平成29年10月開催物故会員追悼会で配布された追悼録に掲載された仙台弁護士会会報昭和61年1月5日第112号に掲載された「訪問シリーズ⑧渡邊大司先生」から役に立つ記述の備忘録です。

○小野寺信一弁護士の巧みなインタビューで渡邊大司先生による弁護士業務の要諦が凝縮されて引き出されています。ここでも判決を読むことの重要性を指摘されています。渡邊大司先生が司法修習生になった昭和23年当時は、コピー機なんて便利なものはなく、わざわざ最高裁まで行って判決文を写してきたとのこと。修習生時代に既に判決の重要性をキッチリ自覚されていたのは驚かされます。

○現在は、データベースシステムで重要判決が簡単に検索でき、ホントに便利な時代になっています。私も、渡邊大司先生を見習い、これまで以上に重要判決文の収集に努め、勉強を継続すべきとの意識を新たにしました。

自分たちの知識は本当に狭いものです。「私の恩師である逸見先生に仕事をするには、本をもってなくちゃだめだといわれました。」
※準備書面等何か書くときは、必ず文献に当たって確実な知識に基づいて書くことが重要とのこと

私は修習生の時から、他人の判決の写しをうんと集めていた。最高裁に行って、交通事故の判決なんかを写させてもらったりした。
※裁判官が心血を注ぐ事実摘示の書き方が重要で弁護士にとっても大変参考になるとのこと

・勝つ事件を弁護士の活動が悪くて負けるのは恥だけど、やるだけのことをやって負けても恥ではない

・依頼人の弁護士に対する考課(評価)は鋭いものですよ。お客さんが(再度)くるわけを一言でいえば、依頼人の考課表にあるといっても過言ではない

・(依頼人は弁護士のどういう点に着目しているのでしょうか?)誠実さでしょうね。熱心さが伝わるものです。私は、準備書面、証拠申請書から全部本人に渡している。兎に角、熱心にやること。これが伝わるんですよ。

・依頼人は弁護士の腕のないことはそれほど責めないもんですよ。熱心にやってくれさえすれば。

・(依頼人から)金を取り過ぎると、必然的に無理なことをすることになるようです。無理なことをするから、頭痛の種になったり、ノイローゼになったりする。金を取り過ぎないで、一生懸命やっている限り、常に平穏な気持でやっていくことができる

・費用(実費)と報酬は区別して請求することが大事なこと。預り金は如何に少額でもきちんと清算して返す精神が大切

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