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法学部人気の凋落と大学入試ランキングの関係如何3

平成26年 8月13日(水):初稿
○「法学部人気の凋落と大学入試ランキングの関係如何2」を続けます。
大学受験 大学偏差値情報 2014」で法学部偏差値を見ると文化系学部では殆どの大学で法学部が一番高いとのこれまでの状況が、平成26年もなお継続していることが判りました。偏差値が高いと言うことが志願者が多いからと思われます。志願者が多いと言うことは、人気は落ちていない即ち「法学部人気の凋落」はないということになります。

○ところが、白浜弁護士さんのブログ「白浜の思いつき」の「法学部人気の凋落について思うこと」には、「法学部の同窓会に参加させてもらう機会がありましたが、そこでは、法学部の責任者の方が、法学部人気の凋落を嘆きながら」との記述があります。これは白浜さんが、実際、体験したことなので偽りはないはずです。法学部責任者と言えば法学部長さんと思われますが、「法学部人気の凋落を嘆く」原因は、何か考えてみると、学生の質が落ちていること位しか思いつきません。質の良い学生が来なくなった、それは、人気が凋落したからだ、と繋がります。

○大学偏差値からは、「法学部人気の凋落」はないと思われますが、法曹特に弁護士人気が落ちていることは間違いありません。この「弁護士人気の凋落」の最大原因は白浜弁護士さんが言われるように「人気凋落の最大の原因となっている感のあるのは法科大学院」であることも間違いありません。法科大学院そのものと言うより、法科大学院制度により司法試験合格者が激増し、更に従前の特権が奪われ弁護士と言う資格が、従前の様にそれだけで食べられる状況でなくなったことが、弁護士人気の凋落の最大の原因です。

○「弁護士人気の凋落」の最大の原因は、特権が奪われ且つ人数が激増したことによる「弁護士資格価値の低下」です。価値が低下した上に法科大学院制度が出来て、法科大学院卒業が司法試験受験資格になったことが拍車をかけて、いまや、「弁護士人気の凋落」は目も当てられない惨状になっていると言っても過言ではないでしょう。私自身、これだけ価値が低下し、且つ、法科大学院なんてお金のかかるシステムになった現在、もう一度司法試験に挑戦するかと言われたら、挑戦しない、別の道を目指しますと答えるでしょう。

○しかし、かといって私は、多くの弁護士が唱える弁護士特権階級復活論には与しません。その理由は、「人助け意識を弁護士の思い上がりだ!と思う訳は?」に書いたとおり、「弁護士と言う職業は、崇高で偉い職業で、いわば聖職であり、その辺の普通の職業とは違うんだと考えを発展させて上から目線」になってはいけないと思うからです。いや、俺は小松弁護士と違って、特権が与えられても上から目線にはならないと反論される方も居るでしょうが、それは人間洞察不足です。特権があると奢るのが人間一般だからです。

○特権が失われても法律事務ほぼ独占の弁護士業務自体は変わりません。弁護士業務自体が遣り甲斐のある仕事であることには変わりません。弁護士人気凋落を少しでも回復するためにはこの弁護士業務の素晴らしさを弁護士自身が粘り強く発信するしかありません。ところが、実際には特権喪失を嘆き特権階級復活を唱える弁護士ブログで溢れています。

○私は法曹特に弁護士を目指す方のためには、法科大学院撤廃までは言いませんが、卒業を司法試験受験資格とし、且つ、受験期間・回数を制限する制度だけは撤廃して頂きたいと願っています。弁護士と言う職業に魅力を感じてそれを目指す方のために、シンプルでお金のかからない受験システムを構築し、且つ、弁護士の仕事の素晴らしさを現役弁護士が発信し続ければ、凋落した弁護士人気が少しずつでも回復するのではと考え、これからも少しは弁護士業務情報を発信していきたいと思っております。
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