平成23年10月15日(土):初稿 |
○昭和51年生まれで、生まれ年が私より25年も若く、司法修習57期でこれまた司法修習32期の私より丁度25年若く、当然、弁護士経験も平成23年4月から32年目に入った私より25年若く、たかだか弁護士経験7年目に入ったばかりの、私から見れば若造弁護士の堀鉄平弁護士が、生き馬の目を抜くと言われる?厳しい競争社会の東京で独立僅か4年目で、弁護士9名の事務所に発展させ、この平成23年1月、表記「弁護士営業・経営マニュアル」(以下、同著と言います)と言う本を出版しています。 ○「第17回業務改革シンポジウム第1分科会予告等2」記載の通り、堀鉄平弁護士には、横浜市のパシフィコ横浜で平成23年11月11日開催日弁連第17回業務改革シンポジウム第1分科会の4パネリスト弁護士の1人として登場して頂くことになり、同年10月13日、その事前打合会を日弁連会館で行いましたが、その準備として、その日の午前中に仙台丸善で、堀鉄平弁護士著作同著を購入して斜め読みして臨みました。 ○その著作、若造弁護士が書いたのだから大したこともないだろうと思って読み始めましたが、読み進むうちにこれは凄いと、ビックリしました。先ず前書きで、弁護士増員反対論について,如何なる理由を主張しても、一般国民からは所詮それは弁護士が既得権を守り、これまで通り競争なく楽に商売したいとだけだと厳しく評価が下されるとの感想は、全く同感で、また、弁護士増員策に対する意見は兎も角、増員されて競争社会になった以上は、弁護士1人1人が、マーケッティング努力をして、潜在的クライアント需要を発掘して,弁護士業界全体の活性化を図る必要があるとの意見にも全く同感です。 ○今回紹介する私が感心・感激した記述は2点です。 先ずウェブ電話の思想です。堀弁護士のHPトップページの中頃に「無料電話でお問い合わせ」と言うボタンがあり、クリックするとお客様が電話番号を入力し、事務所弁護士から電話を貰いたい希望日・時間帯を指定して送信すると、弁護士の方から電話をしてお客様の相談に乗るシステムになっています。説明文のセールスポイントは、弁護士から電話が 「掛かってくるので通話料の心配なし!予約した時間に掛かってくるので便利!」 とあります。私はこのHPを見ただけで、これは凄いサービス精神と感激しました。堀弁護士は、同著19頁で、顧客が電話をかける時間帯を制限するのは顧客ニーズに反するが、かといって、24時間待機で電話を待つのも現実的ではなく、このウェブ電話方式を思いついたと明かしています。かなりのアイデアマンです。 ○営業時間外は留守番電話にして置くことはどこの事務所でもやっていることですが、希望日・希望時間帯を指定して貰って弁護士の方からかけることで顧客に電話代が掛からないようにするとの発想が、正に顧客満足第一の思想が良く現れていますが、更に感激したのが進行表の導入です。 堀弁護士は平成21年格闘技練習中に右眼眼窩底骨折で手術を受けることになり、手術の成功失敗の心配と更に何時仕事に戻れるかの大きな不安を抱いたところ、彼の手術を受けた病院で「クリニカルパス」(※クリティカルパスとも言う様です)という計画表を配布して頂き、今後の予定がハッキリ判り不安が解消した経験から、弁護士に依頼する顧客も同じ心理ではないかと気付きます。 ○そこで堀弁護士は、顧客満足を充実させるため依頼を受けた事件について、受任から終了に至るまでのスケジュール等を進行表という形で事前に渡すことにしたとのことです。 この進行表を作成することで、受任時、弁護士が依頼者に伝えなければならない事項を確認して言い忘れを防止し、更に依頼者に準備して頂く書類等についても書面で確認出来るので便利とのことですが、これによる最大の利点は弁護士の心構えが変わることではないかと思います。このようなスケジュールで進みますといったん説明した以上、そのスケジュールに従って仕事をこなすプレッシャーとなりダラダラやれなくなります(^^)。 ○勿論、弁護士業務は相手のあることで、相手の出方次第で,展開が思わぬ方向に行って1年の予定が3年もかかるなんてことも良くありますので、その点は事前に依頼者に説明し、これも進行表サンプルにはキッチリ記載されています。しかし、予定通りいかないのは自分のせいではないと常に言い訳が出来るように自分の仕事はキチンとこなしていくとの心構えを作るという意味で弁護士にとってもこの進行表は利点になるはずで、当事務所この方式は採用したく、当事務所なりのサンプル造りに掛かろうと思っております(^^)。 以上:1,893文字
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