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私の法曹養成論と主要国法曹養成制度の概要

平成22年 7月10日(土):初稿
○繰り返し述べてきましたが、私が理想とする法曹養成制度は、以下の通りです。
受験資格-旧司法試験と同じ(大学教養課程修了)
受験回数受験期間-旧試験と同じで制限全くなし
司法試験-旧試験と同じ択一試験-論文試験(口述試験のみ不要)
受験方法-択一・論文一気に行う(但し、択一・論文いずれも採点)
合格者決定方法-予め択一・論文総合成績での合格基準点を決めておき、基準に達した者は全て合格、人数制限無し。但し、その基準は旧司法試験で上位2000~3000名程度合格出来るような基準にする。
試験成績-試験結果詳細-点数・順位等-全ての受験生に本人分を公開
合格者-弁護士補の資格を与えられる

合格後-3ヶ月程度実務基礎研修(1ヶ月程度裁判制度実務基礎講義後裁判所・検察庁実務を各1ヶ月見学)
弁護士研修-2年間弁護士事務所に弁護士補として有給勤務(既存事務所一部採用義務化し、2年間はいずれかの事務所に生活できる最低給与を保証されて採用される権利を有する)
2年後2回試験合格で正式法曹資格授与、裁判官・検察官採用は従前通り。但し、弁護士経験者からの裁判官・検察官採用枠を大幅に増やし、弁護士からの任官をしやすくする
2回試験受験制限無し、合格するまで何度でも受験可。但し、2年経過後は弁護士補として採用される権利を失い、後は個別に弁護士事務所と交渉

全くの思いつきで賛同者は全く居ませんが、この制度では法科大学院は無用です。

○このような制度を取る主要国はないかネットで調べてみましたが、一致するものは見当たりませんでした。
司法制度改革審議会議事録からの引用による主要各国の法曹養成制度は以下の通りです。

アメリカ
ロー・スクールが特徴的な存在でございます。日本との比較で申し上げれば、法曹資格を得るためにはロー・スクールへ進むことが事実上強制されております。2番目に、日本の司法研修所のような実務訓練機関がございませんで、その分、ロー・スクールが一定程度、つまり基礎的な範囲で実務訓練的な機能を担っていること。第3番目に、日本のように法学部というのがない。第4番目に、以上の結果、ロー・スクールでは、一応、理論教育と一定の実務教育が統合された形で行うということになっております。

イギリス
バリスタとソリシタでそれぞれ別個の法曹養成制度をとっております。したがいまして、両者統一した司法試験制度というものはございません。なお、アメリカのロー・スクールとは異なりまして、最終的な法曹資格を取得するためには、このバリスタ、ソリシタともそれぞれ実務研修が必要とされております。

フランス
司法官である裁判官・検察官と弁護士とを別々に養成するという分離養成制度を採用す。
司法官につきましては、選抜試験の合格者が毎年200名でございます。合格後、国立司法学院で2年7か月の研修を受けます。この研修ではマン・ツー・マン方式での裁判実務など各種の実務修習が行われております。
次に、弁護士でございますが、州の弁護士研修センターへの入所試験に合格した後、同センターにおいて共通基礎教育と実務修習から成る研修を1年間行い、その研修修了後に、弁護士職適格証明を取得するための試験を受けることが必要となっております。この試験の合格者は1,300人から1,400人です。
 この弁護士職適格証明の取得後、弁護士会に研修弁護士として登録し、通常の弁護士とほとんど同等の権限を持って2年間の実務修習を行い、研修センターから研修修了証明を得て、弁護士会に本登録をすることになっております。

ドイツ
法曹の資格要件としては、州立大学の法学部で4年程度の課程を修了しまして、司法試験に合格します。その後、約2年の司法修習を終えて、国家試験に合格して資格を取得します。いずれの試験も合格率は7割、8割とかなり高うございます。司法試験は司法修習生の採用ということだけでなく、法学部卒業試験の機能も有しているということであります。また、資格試験に徹しているため、このように合格率も高いということであります。

参考に主要各国司法制度概要一覧表を掲載します。

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