平成22年 6月22日(火):初稿 |
○「さすっているようで叩いている政治家同士の関係1~4」まで、主に小沢一郎氏と菅直人氏の小沢氏の民主幹事長辞任後の関係は、「叩いているようでさすっている」関係であればと思っておりましたが、その後の週刊誌情報等総合するとそんな生やさしい関係ではなくなっているようにも感じます。 ○平成22年6月20日(日)、久しぶりにMOVIX仙台で映画を見た後、丸善仙台店に立ち寄って、後藤謙次著「小沢一郎の50の謎を解く」と赤塚行雄監修「政治家の器量 田中角栄にあって小沢一郎にないもの」の2冊を購入し、ほぼ読み終えました。後藤謙次著「小沢一郎の50の謎を解く」には、小沢氏が政治家になってから現在に至るまでの変転、権力闘争の修羅場等が簡潔にまとめられて記載されています。この流れを見ると、外形的には相当の小沢叩きに見られる言動をした菅直人氏は相当小沢氏との関係修復の努力をしないといつまで首相を継続出来るか厳しい面がありそうです。 ○私が小沢氏を評価する面として創世会を作って角栄氏に反旗を揚げた政治家の中で唯一人、角栄氏相続人田中真紀子氏と良好関係を保ち、法要等への出席を認められていることがあります。あの如何にも我が儘にしか見えない田中真紀子氏と良好関係を保つことは相当困難と推察され、これができるのも一つの器量と思っていました。私は田中角栄大ファンを自認していますが、その長女真紀子氏は到底ファンになることは出来ず、むしろ逆な感想を持っているからです。更に田中角栄氏の刑事裁判を1回も欠席することなく傍聴し続けたことも感心しています。 ○「政治家の器量 田中角栄にあって小沢一郎にないもの」によれば、小沢氏の現在の奥様和子氏との結婚は、角栄氏の世話によるもので、政治家との結婚に乗り気でなかった和子氏を結婚する気持ちまで持っていったのは角栄氏の巧みな誘導によるものだとのことです。その経過で結婚に至った以上、小沢氏は角栄氏が仲人をしてくれるとばかり思っていたら仲人は、田中派重鎮二階堂進氏で、いったん小沢氏は落胆します。しかし、父親代わりをすると言って、「(小沢氏の)母親とともに、本当の父親のごとく振る舞い、周囲に愛想をふりまく角栄の姿に、小沢氏は人目もはばからず号泣した」との記事に、単純な私は感激しました。勿論、角栄氏の人心操縦術にですが。 ○小沢氏は角栄氏に薫陶し、角栄氏に将棋の相手を所望されるとどんなスケジュールもキャンセルし必ず最後まで将棋の相手をし、角栄氏の身近で角栄氏から政治の裏も表も教授されますが、持って生まれた性格だけはどうにもならないようです。有名な正月三が日の目白詣で新年会は、角栄氏の「無礼講」の気配りで、飲めや歌えの大騒ぎとなるとのことで、酔った渡辺美智雄氏がテーブルに登って踊り出すと角栄氏もテーブルに飛び乗り男2人でチークダンスとなり大爆笑となったとのエピソードもあります。 ○ところが世田谷の小沢邸での新年会は、新年会といっても、お祝いや無礼講との雰囲気はまるでなく、何となく緊迫した雰囲気があって、どこか暗く、笑い声も殆ど聞こえてこないもので、どこか威圧感が感じられ、参加する人は緊張はしても楽しくないとのことです。この違いが、「角栄にあって、小沢にないもの」であり、それは「人間の幅の広さ」と著者は語ります。まもなく68歳になる小沢氏は、そのないものを、どこまで埋め合わせの努力をするかが見物です。 以上:1,406文字
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