平成19年12月 8日(土):初稿 |
○平成19年12月6日、日弁連の臨時総会がありましたが、後記asahi.comの配信記事によると、新人会員減額案が紛糾したとのことです。日弁連の総会は年に1回の定期総会と必要に応じて開かれる臨時総会がありますが、会務嫌いを公言する私は殆ど時の会長一任の委任状を提出して出席したことがなく、出席した記憶があるのは、副会長だった平成7年と仙台で開催された1回、それから日弁連業革委員会で私も規則案等起案担当した弁護士業務広告解禁議案が提出された時の定期総会位です。 ○今回紛糾した新人会費減額案は、大量増員されて給料が下がる等経済的に楽ではないと思われる新人会員に限り会費を半額にするというもので、私自身は時宜に適った極めて妥当な議案と思っておりました。紛糾したのは、それによって年間3000人の合格者大量増員に迎合するものだとの理屈のようです。 ○日弁連執行部は法曹年間3000人を既定路線として種々対策を取っていますが、その最たるものが新人弁護士の就職対策で、ここ2,3年、毎年新人弁護士採用についてのアンケートが年に2回は配布されます。平成19年10月4日に)札幌で開催された第15回業革シンポで私の所属した第1分科会は「小規模事務所の人事戦略~新人弁護士とともに新たなステージへ」と題して複数弁護士事務所の薦めをテーマにしました。 ○私自身は、大量増員されて就職先が不足するこれからの新人弁護士救済のため日弁連が会員に新人弁護士採用を呼びかけることには違和感を感じております。これからの新人弁護士は大量増員で合格しやすくなりその分就職先確保も困難になることを覚悟の上で弁護士を目指すわけですから、基本的には自分で就職先を探し、なければ当初より自営を覚悟すべきで日弁連には新人弁護士就職先確保義務などないはずです。 ○現在の日弁連執行部は新人弁護士の就職先を確保しないで放置すると弁護士としての質の低い弁護士が増え、弁護士会全体の地位低下を招くとして新人弁護士就職先確保にやっきになっています。私自身は、法曹大量増員で弁護士業務も競争激化で大変な時代になることから、特に地方都市における事務所経営の安定化・効率化の観点からの共同事務所ビジネスモデルの研究を日弁連業務改革委員会で取り上げるべきと思っております。 ○私自身は業務拡張意欲は全くありませんが、最近、事務所承継の観点から複数事務所化の必要性も感じつつあります。この先競争激化で事務所経営が大変な時代に突入するところ、事務所収入の結構な割合を占めていた多重債務、過払金返還業務等が先細りとなることも間違いなく、業務の経営安定的継続の観点も含めて弁護士複数化を検討していきたいと思っているところです。 日弁連総会、新人会費減額に紛糾 法曹3千人計画に批判 2007年12月07日07時37分 日本弁護士連合会は、6日に開いた臨時総会で、会員が納める月会費1万4000円を「新人」弁護士に限って半額にする会則改正案を賛成多数で可決した。しかし、案をめぐって、司法試験合格者を年間3000人に増やす政府計画に歩調を合わせる執行部方針に対する批判が続出。執行部は苦しげな答弁を繰り返した。 減額は、弁護士の大幅な増加で新人の「就職難」や「報酬の低下」が現実化しつつあることに配慮して執行部が提案したもの。これに対し、3000人計画に反対する立場の出席者から「計画への賛成を見直さずに減額するのは本末転倒だ」といった意見が相次いだ。 3000人問題では中国地方弁護士会連合会と中部弁護士会連合会が見直しを求める決議をするなど、足元から揺さぶられている執行部。大差で可決されたものの、賛成派からも「減額は人道上やむを得ないが、弁護士の増加は心配で、きちんと別に議論すべきだ」という発言が出るほどだった。 以上:1,564文字
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