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企業が弁護士に望むこと-司法改革総合センターニュースから

平成19年 5月 2日(水):初稿
○平成19年5月2日のボツネタ経由で司法改革総合センターニュースによる「東京の中小企業に関する弁護士ニーズの検証~弁護士ニーズと課題が検証できた!?~」(PDF)を知りました。大変重要な示唆に富んでおり、その抜粋を私の備忘録として掲載します。

○平成19年4月から弁護士稼業も28年目に入りましたが、企業の顧問は10数社しかありません。しかもその半数は殆ど相談もなく、ただ顧問料を貰い続けているだけで、大変心苦しく、いつも何とか目に見えるサービスをしなければと思いつつも、何もしないで時間だけ流れてきました。以下の、「企業が弁護士に望むこと」を反芻し、何をすべきか検討していきたいと思っております。

□テーマ5
企業が弁護士に望むこと
企業が弁護士に望むことは,報酬のわかりやすさ(47 %)が最も高い回答率であった。以下,
フットワークのよさ(34 %),
得意分野のわかりやすさ(34 %),
業界への知見(26 %),
新法の知識(23 %),
専門性(22 %),
ビジネスセンス(18 %),
コミュニケーション能力(17 %),
業法の知識(14 %),
税制の知識(12 %)

等が続いた。

また,ヒアリング調査において,「税理士や社会保険労務士は法改正等があったときにはニュースレターで知らせてくるが,弁護士はそのようなサービスをしない」,「弁護士は,こちらから聞かないと教えてもらえない」という不満の声が上がった。「弁護士の側からの情報発信」に対するニーズがあるといえる。印刷物の郵送やネット配信を積極的に行ない,他の弁護士と差別化を図ることが有効であろう。

□まとめにかえて
今期の調査は,ヒアリング,アンケート項目に関しては弁護士委員の意見が反映されているが,調査結果の報告に関しては弁護士以外の感覚を重視しようとの理由から,みずほ総研の責任で記載されている。若手弁護士の業務を考えるという観点からこの結果を検討すれば,検討を要する業務上のポイントがいくつか浮かび上がってくる。

要望の多かった点の一部だけを羅列しても,中小企業者が要望している弁護士像はそれなりに理解できるのであり,自己の中に取り入れて事務所業務を改革するための資料として欲しいと思う。

①気軽に相談したい
②費用を安くして欲しい,又は依頼時に費用が分かるようにして欲しい
③専門分野が強い人が欲しい
④即応して貰いたい
⑤どんな業界かを理解しておいて欲しい
⑥新法の知識を教えて欲しい
⑦ビジネスの世界のセンスが欲しい
⑧コミュニケ―ション能力が欲しい


この要望に沿った事務所にすれば,中小企業の依頼者が増えるとまでは言えないが,中小企業にとって,要望に合致する弁護士だとの評価を受ける可能性は高くなるであろう。今後,弁護士の多い社会が到来するが,弁護士それぞれが,このような依頼者層の要望を資料としていかに事務所経営を行なうかという観点も必要となるであろう。調査結果を踏まえた提言に関しては,弁護士ニーズワーキンググループの今後の提言に期待したい。今回は,調査結果の一部を会員に生のまま提供し,役に立つ又は興味深い事項を速報として紹介したものである。(司法改革総合センター事務局次長 臼井一廣)
以上:1,315文字

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