平成19年 2月 8日(木):初稿 |
○「2006年版弁護士白書-弁護士収入はやや減少中」で弁護士白書の2004年版と2006年版のデータを元に弁護士収入実態が、平成15年に比較して平成17年はやや減少中であることを報告しましたが、弁護士の取扱事件数はどうなっているかが気になり、同白書で調べてみました。 ○その結果は、以下の通りです。データは、いずれも札幌・仙台・香川・福岡・広島の高裁所在地の弁護士会所属弁護士のものです。 平成15年弁護士の取扱事件数 金額 割合 累計 (仙台弁護士会221名換算数、累計) 10件未満 8.5% 8.5% (19名、 19名) 10~29件 17.6% 26.1% (39名、 58名) 30~49件 24.1% 50.2% (53名、111名) 50~69件 19.6% 69.8% (43名、154名) 70~99件 9.6% 79.4% (21名、175名) 100件以上 17.1% 96.5% (38名、213名) 無回答 3.5% 平成17年弁護士の取扱事件数 金額 割合 累計 (仙台弁護士会221名換算数、累計) 10件未満 11.0% 11.0% (19名、 19名) 10~29件 21.0% 32.0% (39名、 58名) 30~49件 25.7% 57.7% (53名、111名) 50~69件 18.7% 76.4% (43名、154名) 70~99件 9.3% 85.7% (21名、175名) 100件以上 11.9% 97.6% (38名、213名) 無回答 2.4% ○10件未満が8.5%から11%に増え、100件以上が17.1%から11.9%に減っていることだけでも、やはり相当程度弁護士一人当たりの取扱事件数も減っていることが判りました。 ○「財団法人判例調査会裁判所データブックー裁判事件減少中」で全裁判所の新受事件数は平成15年をピークに減りつつあるとのデータを紹介しましたが、平成15年からの2年間で弁護士一人当たりの取扱事件数もまた収入も減りつつあることがハッキリしました。 ○この上で平成19年から毎年弁護士数が飛躍的に増えることは既定路線となっており、もはや動かしがたい状況です。一般のサラリーマンの方、或いは司法書士、税理士等その他の専門家から見れば、これまでの弁護士は数が少なくて恵まれすぎていたとの評価もあると思われます。 ○いずれにしてもこれからは弁護士業界も競争の波にさらされることは明らかであり、サービス業としての自覚を強め、これからの競争時代に立ち向かう必要性を数字の上からも実感しました。 以上:1,067文字
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