平成18年 9月29日(金):初稿 |
○平成18年9月28日、司法修習第59期生の2回試験(卒業試験)の結果報告がありました。当事務所で修習した司法修習生は合格との電話連絡を受けホッとしましたが、なんと107名もの不合格者(合格留保者97名、不合格者10名)が出たとのことで驚きました。 ○法曹関係者ブログはこの話題で持ちきりで、「『不合格』は文字通り、もはや法曹(裁判官、弁護士、検察官)としてやっていくことはできない、追試も受けられないという死刑宣告であり、『合格留保』は、要は追試を受けられる身である。」との説明がなされていますが、私の修習した時代(32期)では、不合格は1年落第で1年後に再チャレンジ出来ると聞いていましたので制度が変わったのかも知れません。 ○私が修習した32期においては合格留保者が11名だったように記憶しています。32期の司法修習生は全体で465名でしたから合格留保率は3%になります。当時の修習生の数は450~500人時代でそのうち数名から10名前後毎年合格留保になっていました。 ○不合格者は一クラス50人の内1,2名だから先ずその中に入るまいと言う安心感と、いや、皆同様にハイレベルであり、誰が落ちてもおかしくなく、自分が入る可能性が大いにあるという不安感が交錯し、試験前3ヶ月の後期修習期間は、寮でも重っ苦しい雰囲気が漂い、試験に関係しそうだという情報(判例、学説、論文等)のコピーが大量に出回りました。皆さん、不安で殆ど読まない文献も気安めにコピーしたからです。 ○59期修習生は全体で1493人ですから、うち107人の不合格率は、7.2%になります。司法修習生450~500人の我々の時代でも年によって変動はありますが3%程度は不合格者が出ていましたので、割合から言うと大騒ぎする程の問題ではないとも言えます。全体で1493人いれば成績下位の割合も増えるからです。 ○いくら司法試験合格者を増やしても法律実務専門家として最低限の法律知識も持っていない修習生に対して無責任に法曹資格を与える訳にはいかないのは当然です。従って司法試験合格者が増え司法修習生が増えれば増えるほど卒業試験(2回試験)で振るい落とされる人数も増えて当然です。 ○司法試験に合格したからと言って安心せず常に向上心を忘れず勉学に励むことが重要です。今後は法曹資格を得たとしてもそれによって直ぐに食べられる時代ではなくなります。法曹資格を得たからと言っても安心出来ません。この世におさらばするまで向上心を持って勉学に励む必要があります。 人生死ぬまで勉強だと、我が身に言い聞かせています。 以上:1,066文字
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