平成18年 9月28日(木):初稿 |
○「イソウロウ弁護士雇用のメリット・デメリット1」で日弁連が平成18年8月に平成8年以降弁護士1名の事務所で新たにイソ弁を採用した弁護士を対象にアンケート調査をした結果の一部をご紹介し、平成8年以降10年間での採用経験での年俸は600万円台半ばと報告しました。 ○肝心のイソ弁採用のメリット・デメリットについては総合回答133件中大成功が30件、まずまず成功が75件、可もなく不可もなしが21件、やや失敗が5件、大失敗が2件で、約78%8割近くが大成功乃至まずまず成功と回答していました。 ○やや失敗乃至失敗が全体の5%程度に留まり、イソ弁採用の否定的評価は特別な例に限られるようです。気になる失敗理由ですが、「基本的事項について弁護過誤を起こし、顧客に莫大な損害を負わせてしまった」との記述もあり驚きました。これは大失敗の例でしょうが、修習生100人の内数名はどうしようもないレベルの者が居ると言うことも示しています。 ○平成8年から平成17年までに修習を終えた司法修習生から採用した例が大部分と思われますが、この時期はまだ合格者が730人台から1500人台であり今後合格者が3000人近くなるとどうしようもないレベルの司法修習生の人数も割合も増えると思われますので、イソ弁採用に当たってはより一層の慎重さが求められます。 ○メリット質問項目については回答133件中顧客ニーズに対応が85件、事務所信用度アップが37件、自分の事務処理にプラスが86件、時間的体力的に余裕が72件、精神的に楽にが68件等でイソ弁の採用によって経営に余裕が出て来たことが認められます。 ○デメリット質問項目については回答78件中精神的負担が増えたが32件、指導に時間が取られたが31件、経済的に苦しくなったが15件、人間関係に苦労したが14件、事務所の信用度が落ちたが2件等で、イソ弁済用によってその存在が却って煩わしいものになっている例があるようです。 ○イソ弁採用が余裕をもたらすか、却って煩わしさをもたらすかは、ボス弁とイソ弁の相性が最も重要に思います。以下勤務弁護士採用に関しての意見・感想で注目したものをご紹介します。 ・指導期間は集中して指導し、以後は本人の適正に委ねる。採用は、1に人柄、2に人柄、3に能力。 ・その人の人柄による。まず、明朗研究熱心なことが第一条件。 ・お互いに向上心を持ち合えるような関係を心がけている。 ・採用時に採用目的ないし指導方針を明確にしておく必要がある。 等々 以上:1,026文字
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