平成17年10月 1日(土):初稿 |
○旧弁護士報酬基準では市民相談料は30分5000円(消費税抜き)と定められ、弁護士会法律相談センターなどで主催する有料法律相談、平均的弁護士事務所での相談は、報酬基準が撤廃された今もこの基準で行われています。 ○私の事務所でも相談料は30分5250円、1時間1万500円を基準として行っていますが、この基準が高いか安いかは人それぞれ感じ方が違うでしょうが、確実に言えることは、この基準での相談業務だけでは事務所を維持できないと言うことです。 ○弁護士報酬の決め方としては、事件の経済規模の一定割合とする割合方式と時間報酬制(タイムチャージ)に大別されます。割合方式は、例えば1000万円の貸金返還請求事件の着手金は5%相当額の50万円、報酬金は回収額1000万円の10%相当額の100万円とするもので、時間報酬制は、その事件処理に弁護士が費やした時間毎に例えば1000万円返還請求訴訟に全部で50時間かかった場合、その50時間に合意した1時間当たりの金額を乗じて算出するものです。 ○このタイムチャージでの1時間当たり料金は東京弁護士会で調査・研究した結果、最低でも1時間2万円との結論になったと言うことです。この結果でもタイムチャージ1時間1万円である相談業務(30分5000円)だけでは、事務所は維持できないことになります。 ○渉外事務所ではタイムチャージ制が多く、ネットで調べると1時間当たりの料金は3万円以上となっているところが多いようです。弁護士の格によっても相当異なり、高名な弁護士になると1時間当たり10万円近い場合もあるかも知れません。 ○平成17年3月サンフランシスコ弁護士事情視察に行った際の当地の渉外事務所での弁護士タイムチャージ料金は1時間当たり4,5万円というところが多かったように記憶しています。 ○当事務所ではタイムチャージ制は取っておりません。おそらく地方の弁護士事務所でタイムチャージ制を取っている例は殆どないと思われます。このタイムチャージ制での1時間当たり3万円という基準から行くと、30分5000円の相談料は安いことになりますが、相談を受ける方からすれば決して安いとは思えないはずです。 ○相談だけなら無料とする事務所も増えつつあります。これは相談は単に事件の見積もりを立てるもので事件獲得のための営業活動と割り切った考えです。この考えでは事件にならない相談はシッカリやってくれるのだろうかという心配があり、相談者回答者双方のケジメをつけるためには対価授受は必要と思っております。 以上:1,045文字
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