平成17年 7月30日(土):初稿 |
○弁護士業務の有償周旋禁止は、詰まるところ弁護士業務による収益に弁護士以外の者は、関与させないと言うことであり、俗に言えば、弁護士業務を弁護士以外の者は一切飯の種には出来ないと言うことです。 ○その根拠は、弁護士法72条の以下の規定です。 (非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止) 第72条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。 ○この規定により、弁護士以外の者は業務として即ち継続反復して有償で事件を弁護士に紹介することは出来ません。業務としての周旋禁止ですから、一切禁止ではなく、後にも先にもこの1回だけの場合は、対価の受領を許されます。 ○この規定を受け弁護士職務基本規定13条は次のように定めています。 ①弁護士は、依頼者の紹介を受けたことに対する謝礼その他の対価を支払ってはならない。 ②弁護士は、依頼者の紹介をしたことに対する謝礼その他の対価を受け取ってはならない。 ○これにより①弁護士側が事件の紹介者に対する対価支払を禁じられ、又弁護士法72条により②弁護士以外の者は事件を紹介した顧客からの対価受領を禁じられます。 要するに事件を紹介しても紹介者は弁護士からも顧客からも対価は受領できないのが大原則となります。 ○弁護士業務有償周旋禁止の理由は、 ①弁護士側からは「品位」、「職務の廉潔性」と保つべきと言うことで、ズバリ言うと対価を支払ってまで事件漁りをしたのでは、「品位」、「職務の廉潔性」が保たれなくなる ②依頼者側から言うと弁護士を紹介してやることで対価が取れるとなると、事件を抱えながら弁護士を知らずに困っている人が食い物にされる恐れがある と言うことです。 ○上記2つの理由はいずれも弁護士業務は、紛争を抱えて困っている人に対するサービス業務であるから、普通の物の売買等と同じには考えられないと言うことに尽きます。 (この話題後日に続けます。) 以上:913文字
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