平成17年 6月15日(水):初稿 |
○弁護士は確か昭和62年まで広告が禁止されていました。 その趣旨は、職務の廉潔性にありました。簡単に言えば弁護士たる者、事件を漁るようなはしたないことをしてはいけないと言うことです。そこには弁護士は他のサービス業とは異なる世の指導者でありいわば聖職者であるとの考えも横たわっていました。 私は昭和55年に弁護士になりましたが、当時は、一般に弁護士は広告は一切出来ないと教えられてきました。 ○昔から弁護士会内部にも広告解禁派と解禁反対派が熾烈に対立していましたが、特にクライアント側から弁護士情報開示要請があり、昭和62年に原則禁止を維持しながら一部広告が許されることになりました。 しかし、広告する内容も又広告媒体も厳格に制限され、この規定によって積極的に広告をする弁護士は、特に地方会においては殆ど居ませんでした。 ○それが平成8年頃からインターネットの急速な普及で昭和62年広告一部解禁時には想定外であったHPによる弁護士広告も出始め、クライアント側からの更なる弁護士情報開示要請と規制緩和の時代の波により、平成9年から日弁連業務改革委員会に広告解禁検討チームが出来て、解禁方法を検討し、平成12年年3月24日の臨時総会で46年ぶりの会則改正をして、弁護士の広告を原則自由としました。 ○私は平成9年6月から日弁連業務改革委員会広告解禁検討チームに所属し、広告解禁後の弁護士の業務広告に関する規程、業務広告に関する運用指針等の作成作業に当たり、更に業務広告問題検討委員会にも所属して一貫して弁護士広告問題に携わってきました。 ○平成12年10月から弁護士広告は原則自由となりました。しかしHP広告だけは増えましたが、それ以外で例えばチラシ、ポスター、新聞・雑誌等で広告を行うのは東京のごく一部の弁護士だけであり、大部分の弁護士は広告禁止時代と同様に広告を行いません。広告を実施すると却って「危ない」弁護士と思われる風潮もあり、現時点では大半の弁護士は広告をしていません。 ○そこでクライアント側から強い弁護士情報開示要請が続き、東京・大阪等の大きな弁護士会では、会のHPで弁護士検索コーナーを設けて、弁護士情報を出来る限り開示して、クライアント側の要望に応えるようになりました。しかしこの弁護士検索コーナーに掲載する弁護士情報も弁護士自身が決めるものでまだまだ不足しています。 (この話題後日に続けます) 以上:990文字
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