平成17年 2月 4日(金):初稿 平成17年 5月15日(日):更新 |
○昨日、弁護士稼業商売繁盛の秘訣は、知り合いを多く持つことに尽きると書きました。これに対し、弁護士の腕前は商売繁盛とは関係ないのかという疑問を持つ方もいるでしょう。しかし残念ながら、弁護士の腕前と商売繁盛は比例関係にありません。弁護技術は凄腕なのに客が少ないと言う事務所もあるし、その逆の場合もあるからです。 ○商売繁盛のための知り合いとは、直接の知り合いであり、単に知名度が高いから繁盛するとは限りません。直接、顔を合わせて人柄を知った場合に依頼しやすくなるようです。国分町(仙台随一の飲屋街)に頻繁に顔を出し、一献差し向け合う知り合いが多く居る弁護士が一般に繁盛しており、シャイな上に下戸で国分町とは縁遠い私は商売繁盛とも無縁です。 ○知り合いと言っても、特に重要なことは、人望があり、周囲の方から色々相談を受ける方を知り合いに持つことです。このような方を知り合いに持つと定期的に依頼者を紹介してくれるようになります。このような方々の業種は様々ですが、基本的に世話好きな方が多いようです。 ○弁護士にとって依頼者を紹介してくれる方はホントに有り難い存在で御礼をしたいと思うことが良くあるのですが、弁護士は依頼者紹介の対価を支払うことを禁じられています。弁護士以外の商売で、仕事を紹介して貰った場合、金額の一定割合の対価を報酬として支払うことは当然のこととして行われています。 ○弁護士に成り立ての頃、ある不動産業の方が賃料不払いによる建物明渡の依頼者を紹介して来ましたが、御礼を貰うのが当然として「先生、御礼はいかほど頂けるのでしょうか」と言ってきました。私は「大変申し訳ございませんが、弁護士法で紹介の対価支払いを禁じられております。」と申し出を断り、怪訝な顔をされたことがあります。 ○この事件紹介対価支払禁止は、弁護士の「品位」を保つことが目的です。 簡単に言えば、弁護士業は他の商売と違って上品な職務だから、対価を支払ってまで事件漁りをしてはいけないと言うことです。 私はこんなことを言ってられない時代になっていると思っているのですが。 以上:861文字
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