平成25年 2月15日(金):初稿 |
3.貸し手の出口戦略 中小企業金融円滑化法終了後に備えて金融庁は、銀行に対し、生き残れそうな中小企業に対しては、良いアイデアを出して支援し、必要に応じて外部専門家や企業再生支援機構、事業再生ファンド等の仕組みも利用するよう指示を出している 銀行は2012年4月から出口戦略を実行し始め、支援するか見捨てるかの選別作業に着手しているので、銀行のサインを見逃さないこと、サインが出たら真摯に対応することが必要 鈴木洋菓子店はこのサインを見落とし、経営者を替えるしかないと結論付けられた。 銀行が活用する専門家である公認会計士・税理士・中小企業診断士・コンサルティング会社は、債務者の味方ではなく、銀行の味方との認識が必要、鈴木洋菓子店は、この認識に欠けていた。 銀行の「不採算事業を整理しろ」、「資産売却で借入金圧縮を考えろ」等のアドバイスを無視し続けるとあとは見捨てられるのみ 4.金を返せと言われる前にやっておくべきこと (1)先ず信用格付けアップを図る そのため実態貸借対照表、実態損益計算書の作成し、流動資産(現金・預貯金)・自己資本増加、流動負債の減少、売上高と経常利益の増加を目指す 対銀行では、担当者とのコミュニケーション強化、支店長との頻繁な面談で親交確立、銀行への協力体制つくること-鈴木洋菓子店はこれが無かった 利益より現金が重要との認識-現金残高が最も重要「現金こそが王様」 現金残高アップ法は、 ①金食い虫在庫削減、受注生産・仕入れが理想だが、適正在庫を目指す、 ②売掛金回収短縮と買掛金支払い先延ばし 在庫は資産に計上され、形式的には将来の利益の源泉だが、実態は将来の特別損失の源泉 拡大戦略より縮小均衡を目指す-不採算部門撤退売却・過剰人員削除を素早く行う (2)自己認識強化-SWOT(スウォット)分析の重要性 自社のS-ストロング強み、W-ウィークネス弱点を把握・自覚し、市場環境のO-オッポチューニティ機会、T-スリート脅威を分析する必要がある 鈴木洋菓子店の製造委託事業進出失敗は、これが全くかけていた結果 本業に集中・専念し、なりふり構わずコスト削減に徹し、不要資産は躊躇わず売却処分 5.そろそろ「金を返せ」と言われそうなときにやること 企業再生や銀行交渉に強い弁護士を探してアドバイスを受ける-残念ながら仙台には数少ない、小松弁護士は? 資金不足で全ての返済が出来ない場合の支払優先順位 ①仕入債務(業務継続に必須)、②社員給料、③各種未払金、④銀行債務・税金等、⑤⑥がなくて最後に役員報酬(これは真っ先に支払停止) 重要なことは銀行債務の支払順位は低くすること、 取立は紳士的で、直ぐに競売はかけず、最近は債権回収への譲渡が多い 財産保全策-取引先入金口座を債権者以外の銀行に変更(債権者銀行預金は直ちに凍結) 個人預貯金も債権者以外の目立たない銀行支店に移す(債権者銀行預金は直ちに凍結) 個人不動産は、住宅ローン等債務を1番抵当権とし、余剰部分も担保に提供 結婚後20年以上の場合、居住用不動産を2000万円限度に妻に全部或いは相当持分を贈与(配偶者控除利用) 以上:1,273文字
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