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個人再生の基礎の基礎-個人再生手続のメリット概観

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平成18年 4月19日(水):初稿
○破産と比較して個人再生のメリットをおさらいします。
①資格制限回避
破産手続開始決定によって、資格制限がなされ、例えば生命保険募集員、警備員等の資格が失われる場合がありますが、個人再生手続の場合はこのような資格制限がありません。

②免責不許可事由回避
負債増加の主な原因がパチンコ、競馬等の浪費、詐欺的な借入がある等の破産であれば免責不許可事由があっても個人再生手続の利用は可能です。
但し、破産であれば否認対象になるような特定の債権者に対する不公平な弁済(偏頗弁済)があった場合は、不当目的として棄却されたり、手続開始後に判明した場合はその清算価値を加算した計画案を提出しない限り再生手続廃止や不認可になる場合があるのでこの点は注意が必要です。

③再生計画不履行救済
再生計画の完全履行が出来なくなった場合、やむを得ない事由があれば2年間を限度に支払期間延長(一部支払猶予)が出来、また再生計画に定める弁済額の4分の3以上を弁済している等の要件を満たす場合には,残りの弁済額について,裁判所に対し免責(ハードシップ免責)の申立をすることができます。

④執行手続回避と自宅保持
再生開始決定によって給与差押等の執行手続が中止されます。尚、給料差押を回避するためだけの場合は破産手続開始申立と同時に免責申立をすれば目的は達します。住宅ローン滞納によって自宅が差押になっていても住宅資金貸付債権に関する特則が適用されて再生開始決定が認可されれば抵当権の実行は出来なくなり執行は停止されます。

⑤再生開始不成就の場合
申立の棄却、再生手続廃止、再生計画不認可または取消で再生開始が不成就の場合、裁判所は破産要件があれば職権で破産手続開始決定をすることが出来ます(牽連破産)。但し、仙台地裁においては個人再生手続創設時において仙台弁護士会との申し合わせによって、原則として牽連破産は行わない取扱になっています。

○私の事務所の取扱例では、個人再生手続を利用するのは④の執行手続回避と自宅保持の理由が最も多く、住宅資金特別条項を利用する例が殆どです。任意整理或いは破産手続では住宅が維持できない場合、やむを得ず個人再生手続を取りますが、住宅維持の目的がない場合、破産手続で後腐れ無くした方が良い例が圧倒的に多く、破産手続を薦めています。
以上:950文字

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