平成26年 3月19日(水):初稿 |
○平成26年3月18日は公益財団法人日弁連交通事故相談センターの面接による無料相談を担当でした。午前10時から正午まで2時間、午後1時から午後4時までの3時間合計5時間みっちり仙台弁護士会館内相談室に待機して相談者を待ちました。以前は午前・午後とも終了時刻まで30分を経過して相談者が居ないときは終了していたと記憶していますが、今回から、午後・午後とも開始時刻と終了時刻と担当者名を書き込む用紙を渡され、相談時間5時間全時間相談室待機を事務局員から指示されました。 ○この日弁連交通事故相談センターは、「日本弁護士連合会(日弁連)が、基本的人権の擁護と社会正義の実現を図るため、昭和42年、運輸大臣(当時)の許可を得て、財団法人として設立しました。」とHPで説明されているとおり、昭和55年に私が弁護士登録して当時既に設立後10年以上経過して、無料法律相談も存在しており、弁護士登録当初からその無料相談を担当してきました。 ○この無料相談を担当すると一定額の日当が出ていましたが、確か、仙台弁護士会館設立資金のため弁護士会が積み立てており担当者本人には日当が支給されていなかったように記憶しています。私が弁護士登録をした昭和55年当時は、当時裁判所の一角にあった弁護士会での弁護士有料相談が数ヶ月に1回程度回ってきました。原則、一般相談は30分5000円での有料法律相談でしたが、交通事故相談は無料で相談料が貰えないため、交通事故相談が来ると損をしたような気がして、少しでも面倒な相談は、安易に公益財団法人交通事故紛争処理センター(紛セン)を紹介して、そちらに行くように勧めることが一般に行われていました。 ○登録後しばらくの間は、日弁連交通事故相談センターの無料相談を担当しても正に無料奉仕とばかり思い込んでおり、さらに有料の一般相談と兼任で担当していたため、無料交通事故相談は軽視されて親身になって相談回答せず、安易な交通事故紛争処理センター(紛セン)紹介で終わることが横行していたと記憶しています。 ○交通事故の公的相談所としては、日弁連交通事故相談センターと交通事故紛争処理センターがあり、両者の区別は紛らわしいのですが、前者は日弁連とあるとおり、日弁連設立で、後者は、「示談代行制度設立とこれと引換の裁定委員会(紛セ)」に記載した「交通事故裁定委員会」が前身で、「日弁連と損保協会との間でこの保険発売と引換に交通事故裁定委員会の設立も合意され、昭和49年2月27日、委員長加藤一郎東京大学教授、裁定委員に須藤静一日弁連センター専任副会長、長谷部茂吉元東京地裁所長が就任して、交通事故裁定委員会が業務を開始」していたものです。 ○日弁連交通事故相談センター・交通事故紛争処理センターいずれも交通事故示談の斡旋を無料で行って来ましたが、取扱事件数は後者は、「(昭和49年設立以来)平成24年度末までに受付けた相談取扱い件数(新受件数)は、累計で約19万1千件に上り、その内、示談が成立したものは約12万5百件になります。」と公表しているところ、前者はおそらく相当少ないと思われます。というのは、後者の示談斡旋は最終的には保険会社に対する拘束力があったところ、前者の斡旋は保険会社に対する拘束力がなく、最終的には裁判を出さなければならないと思われていたからです。しかし日弁連交通事故相談センターでの示談斡旋も徐々に拘束力を持たせる保険会社、共済の範囲を広めてきています。 以上:1,426文字
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