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平成24年11月28日(水):初稿 |
○「平成24年7月31日横浜地方裁判所判決紹介5」の続きで、裁判所の判断結論後半です。 ***************************************************** ウ 交通費(平成18年11月1日以降) (ア) B病院 下記の証拠等によると、通院日は下記のとおりであり、通院期間は合計99日と認められる。 記 脳神経外科 平成19年11月19日、同年12月27日 麻酔科 別紙5のとおり 精神科 別紙6のとおり 神経内科 平成19年3月29日、同年4月12日、同月21日 眼 科 平成19年9月14日 耳鼻科 平成20年9月18日、同年10月1日、同月23日、平成21年4月23日(前記ア(ア)) 証拠(原告本人[第2回])と弁論の全趣旨によると、原告は、母親の運転する自家用車でB病院に通院しており、原告の症状や交通費の額等に照らすと、自家用車で通院することは相当であったと認められる。 原告の自宅(e市)からB病院(f市)までの距離は約15㌔㍍であり(裁判所に顕著な事実)、1㎞当たりのガソリン代は約15円であり、同病院での駐車場代300円である(弁論の全趣旨)ことに照らすと、1回の往復の交通費は750円(15×15円×2+300円)であると認める。同額を相当な交通費と認める。 したがって、7万4250円を通院交通費と認める(750円×99) (イ) C病院 証拠(略)によると、原告は、脳脊髄液減少症に関する治療のため、同病院に11日通院したことが認められる。 証拠(略)によると、原告の自宅(上記住所)と同病院(g県h市)までの間の往復の交通費は、原告が主張する2180円を下回らないと認められる。 したがって、2万3980円を通院交通費と認める(2180円×11)。 (ウ) Dクリニック及びE病院 前記ア(エ)、(カ)のとおり、これらの病院での治療が必要な治療であると認めるに足りる証拠はないから、同治療のための通院交通費は損害と認められない。 エ 治療関係費 合計146万6845円 (2) 休業損害 ア F会社の退職まで 170万4080円(争いがない)。 イ 平成17年12月1日~平成20年1月17日(症状固定日) (ア) 平成17年12月1日~平成18年12月31日 前記2(1)で認定した本件事故後の原告の症状・治療経過等によると、同期間については、100%の労働能力喪失を認める。 そうすると、次のとおりとなる。 8832円(賃金センサス平成18年男子大学・大学院卒20歳~24歳の平均賃金322万4,000円を日額で算出した額)×100%×396日=349万7472円 (イ) 平成19年1月1日~平成19年12月13日(原告が25歳となる前日) 前記2(1)認定の原告の症状・治療経過等(原告は、平成19年には、レンタルビデオ店で働いたことがあったこと、その他、原告の症状、治療経過等)からすると、80%の労働能力喪失を認める。 そうすると、次のとおりとなる。 8911円(賃金センサス平成19年男子大学・大学院卒20歳~24歳の平均賃金325万2700円を日額で算出した額)×80%×347日=247万3693円 (ウ) 平成19年12月14日(原告が25歳となる日)~平成20年1月17日 (イ)と同様に80%の労働能力喪失を認める。 そうすると、次のとおりとなる。 1万1968円(賃金センサス平成19年男子大学・大学院卒25歳~29歳の男子労働者の平均賃金436万8500円を日額で算出した額)×80%×35日=33万5104円 (3) 逸失利益 前記4認定のとおり、原告には、後遺障害が認められる。そして、それは、脳脊髄液減少症によるとの相当程度の疑いがあるものの、前記2(2)エのとおり、ブラッドパッチにより脳脊髄液の漏出が既に止まっている可能性がある。また、脳脊髄液減少症ではない可能性もあり、その意味では、原因が必ずしも明確でないということができる。これらのことからすると、原告の症状は、改善の可能性があるということができ、逸失利益については、35%の労働能力喪失を10年間に限って認める。そうすると、次のとおりとなる。 440万0100円(賃金センサス平成20年男子大学・大学院卒25歳~29歳の男子労働者の平均賃金)×35%×7.7217(10年のライプニッツ係数)=1189万1688円 (4) 慰謝料 前記2(1)の原告の治療経過によると、原告の入通院慰謝料は、200万円をもって相当と認める。 また、原告の後遺障害慰謝料は、690万円をもって相当と認める。 (5) (1)~(4)の合計額3026万8882円 (6) 過失相殺 前記1(2)のとおり、25%の過失相殺をすると、残額は、2270万1662円となる。 (7) 損益相殺 原告がG共済から170万4080円の支払を受けたことについては当事者間に争いがなく、原告は、同支払を不法行為時の損害元本に充当して請求しているから、これを、上記2270万1662円から控除する。そうすると、残額は、2099万7582円となる。 (8) 物損 証拠(略)によると、物損は、自転車(2万6800円)、シャツ(1000円)、ズボン(4000円)及び靴(6000円)の合計3万7800円と認められる。 これに、25%の過失相殺をすると、残額は、2万8350円となる。 (9) 弁護士費用 人損部分につき、210万円を、物損部分につき3000円を相当と認める。 (10) 総合計 人損部分 2309万7582円 物損部分 3万1350円 合計 2312万8932円 第四 結論 よって、原告の請求は、自賠法3条に基づく損害賠償2,309万7,582円及び不法行為に基づく損害賠償3万1,350円並びにこれらに対する平成17年6月8日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金を請求する限度で理由があるから、その限度で認容することとして、主文のとおり判決する。 (口頭弁論終結日 平成24年6月5日) 横浜地方裁判所第6民事部 裁判長裁判官 森 義之 裁判官 竹内浩史 裁判官 橋本政和 以上:2,559文字
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