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松本守雄医師講演会”頚椎加齢性疾患と頚部損傷”備忘録3

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平成23年11月 4日(金):初稿
○「松本守雄医師講演会”頚椎加齢性疾患と頚部損傷”備忘録2」を続けます。

7.頚椎加齢性疾患
 椎間板変成疾患-頚椎の骨に加齢による変形が起き、頚部痛、神経根障害、脊髄の障害等を来す。X線上、骨棘(こっきょく、骨に生えた棘(トゲ)の意味)、神経の出口の狭小化が見られる。
 神経根の症状は、片側の上肢痛・脱力・しびれ、歩行障害、手が動かしにくい等で、他覚的には知覚障害、反射亢進、バビンスキー反射、ホフマン反射等で確認
 頚椎症性脊髄症に至ると手術の適応。

 椎間板ヘルニア-傷んだ椎間板の中身が椎間板の殻を破って後ろあるいは後外側に飛び出したもの。一般的には加齢現象だが、強い外傷が頚に加わって起こることもあるが、頻度としては低い。
 前記神経根症状あるいは脊髄麻痺を来すこともある。
 ヘルニアでも全く何の症状もない例も多く、また、歩行障害等の症状が出る程のものでも、自然治癒例が結構多い。そのため手術以外の保存療法が基本。

 頚椎後縦靱帯骨化症(OPLL)-後縦靱帯(頚椎の後ろの部分を縦に結ぶ靱帯)が骨になってしまう病気。
 日本で初めて発見された日本人・アジア人の中年以降の男性に多い難病で、厚労省で難病指定されているが、脊髄を圧迫して脊髄麻痺を来すが、全く無症状な例も多い。
 問題はもともと無症状で脊柱管狭窄が非常に高度な人が、転倒や交通事故の追突などの外傷を契機に症状が発生する場合。 
 後縦靱帯骨化症の人は、外傷を契機に急に症状が発生して悪化する例が結構多い。

※(小松弁護士談)
むち打ち症での頚椎・頚随症状について、保険会社は、有名な平成8年10月29日最高裁判決(交民29巻5号1272頁)を根拠にして、僅かの後縦靱帯骨化の兆しを捉えて、後縦靱帯骨化症という重大な既往症の存在が症状を拡大したと称して50%程度の素因減額を主張することが良くあります。しかしこの事案の差し戻し審での素因減額率は30%で、且つ、後縦靱帯骨化症と脊柱管狭窄症が明確な例であり、被害者側としては、後縦靱帯骨化症の根拠となる画像を良く確認して、その程度が小さいことを主張するなどして素因減額率を下げる努力をすべきです。


 脊柱管狭窄
 頚の後ろにある脊髄の通り道が脊柱管であるが、その直径は男性では通常14,15㎜以上あるところ、13、12㎜未満になると脊柱管狭窄と評価される。この脊柱管狭窄の人は脊髄にゆとりがないため脊髄の麻痺など色々な障害を起こしやすい。

 各種脊椎・脊髄疾患の治療法
 牽引-頚部筋肉のストレッチ、筋肉を和らげ、神経の通り道を広くすることで症状を和らげる物理療法。
 温熱療法-伝記を書けて筋肉を温めて血流を良くすることで肩こりや頚部痛を取る。
 カラー-
 星状神経節ブロック-局所麻酔を公刊神経節に打つことによって、色々な自律神経の障害や腕の不定愁訴をとる。頭痛が酷い場合は頭部に神経ブロックおこなうこともある。
 これらの治療法で改善しない場合は手術治療。頚の前を切って前方から痛んだ骨を除去する前方固定術。後ろから脊髄の通り道を広くする椎弓形成術あるいは脊柱管拡大術。
以上:1,278文字

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