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判例タイムズ2011/07/01号交通事故訴訟実務座談会紹介3

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平成23年 7月29日(金):初稿
○「判例タイムズ2011/07/01号交通事故訴訟実務座談会紹介2」を続けます。
●医師の意見書の提出
大阪地裁裁判官の話では、もっぱら被告保険会社側から、後遺障害を争う場合、取り寄せた医療記録だけを検討して、症状固定時期、休業が相当な期間、その際の休業期間中の労働能力喪失割合、後遺障害等級程度と労働能力喪失割合などある程度定型的な事項が記載されている印象とのことです。

問題点としては、当該患者を直接診察していないこと、あくまで当該事件で提出された限りの画像だけで判断であること、また本当に出された証拠を全部見ているのか、原告の問題とするものを見ていないのではないかとの批判もあるので慎重に吟味する必要があるともされているのが心強いところです。

※私の印象では後遺障害等級が争いになる事件では必ず保険会社顧問医の意見書が裁判所に提出されます。そしてこの顧問意見書は、保険会社側主張をそっくりそのまま時には保険会社主張以上に過激に被害者主張を否定してきます。私の感想では、被害者である患者を直接診断もしないで、良くもここまで断定できるものだ、医師としての良心があるのかと思うもばかりで、思い出しても腹の立つ意見書が多数あります。

ある時、その内容の余りの偏向ぶりに、こんな意見書を出すなら、この顧問医に対し名誉毀損で損害賠償請求を出すと息巻いたこともあります。その事案は、後遺障害等級について自賠責で11級が認定され、任意保険会社も11級を主張し、被害者が10級を主張して争いになって居るものでした。ところが保険会社側が、何と、殆ど詐病であり、後遺障害にも該当しない、2年間も治療しているが、1週間も治療すれば十分な事案だと記述する顧問医意見書を出してきたからです。

その顧問医は、某有名大学医学部名誉教授で、某医学学会理事長もされたことがある方で、意見書作成当時70代後半のいわば学会の大御所的存在の医師でした。しかし、私は、被害者が交通事故にあった直後から知っており、その症状経過、被害者の長期に渡る苦しみを熟知していたものですから、被害者を診察もしないで「詐病」、「1週間も治療すれば十分な事案」との断定に「ふざけるな!」と激怒しました。

私は、冗談ではなく、今後、被害者の同意を得た場合、保険会社顧問医の意見書を、このHPに実名で公表しようかとも思っております。科学者としての医師が科学的知見に基づき意見を出す以上、世間に公表されることを覚悟の上で書くべきと思うからです。但し、法的な問題を十分検討してからにしますが。

この記事の中で驚いたのは、東京地裁交通部裁判官の、例えば原告が9級を主張し、保険会社側が12級を主張していた事案で、保険会社側が医師の意見書を出すと言って数ヶ月後に「医師の意見も9級でした」とする意見書を提出し早期和解に進むことができたと例があることです。私の経験では、正にアンビリーバブルです(^^)。私は、最初に依頼した医師が9級の意見書を書いてきたら、保険会社は別の医師に依頼して12級の意見書を買いて貰いこれを裁判所に提出するのではとさえ思っております。流石に東京地裁は、件数が多く、中には良心的医師も居るものです。このような事案に出会ってみたいものです(^^)。

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