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突然の桐V10システム突然の不調とその改善の経緯3-桐ヘルプから

平成28年12月12日(月):初稿
○「突然の桐V10システム突然の不調とその改善の経緯2」の続きです。
当事務所では、法律事務処理に必要な文書作成を始め、スケジュール・会計処理等を全て桐ファイルで行い、そのファイルは、顧客簿、事件簿を柱に全てのデータを事件ID、顧客IDでリレーショナル化して共有使用を前提としています。今回の不具合発生で、その共有使用で最も重要な「KIRI10.FSC」を初めとする桐の共有管理情報ファイルに関して全く無知であることが明らかになりました。

○そこで、「KIRI10.FSC」の機能等を調べるべくこれをキーワードとして、久しぶりに桐ヘルプを見てみました。すると以下のトピックが出てきました。
1. 桐のデータを共有するための手順を教えてください。(Windowsのピアツーピアネットワーク機能を利用)
2. ファイルを使用していないのに「使用中」の表示が出て、表ファイルを開くことができません。
8. データを入力し、その行を確定して次行を入力するのに数分待たされるようになってきました。
○3番目の「データを入力し、その行を確定して次行を入力するのに数分待たされるようになってきました。」なんて正に当事務所で最初に確認した症状でした。
そこで、以下、桐ヘルプ備忘録です。

********************************************

8. データを入力し、その行を確定して次行を入力するのに数分待たされるようになってきました。
「共有管理情報ファイルの場所」にある次のファイルを削除してください。
KIRI10.FSC
KIR10.SEM
KIRI10.TXN
KIRI10.USR
KIRI10.TX_(ファイルが存在しない場合もあります)
KIRI10.OR_(ファイルが存在しない場合もあります)
なお、この作業は桐をすべて終了させてから行ってください。


※当事務所では、「数分」までは待たされませんでしたが、わざわざ桐ヘルプに掲載すると言うことは、この不具合が起こる頻度が高いと思われます。残念ながら「KIRI10.FSC」を初めとする4個の桐の共有管理情報ファイルそれぞれの機能・役割等についての解説がありません。

2. ファイルを使用していないのに「使用中」の表示が出て、表ファイルを開くことができません。
(中略)
「他の桐が稼働していない」「他の桐が稼働していても別の表を開いている」など、その表ファイルを使用していない状態でエラーが発生している場合は、過去にその表ファイルを開いているときに桐が異常終了し、桐の作業ファイルが残っているために起きている現象と思われます。

桐の作業ファイルを削除してください。
作業ファイル名
拡張子 .tb_ のファイル
kiri10.fsc
kiri10.sem
kiri10.txn
kiri10.usr

●「kiri10.fsc」などのファイル
共有管理情報ファイルが入っているフォルダ。
桐の[ツール]メニューの[環境設定]→[フォルダ]タブ→[高度な設定]に表示されている[作業ファイルの場所]または[共有管理情報ファイルの場所]に表示されているドライブフォルダー名です。


※この現象も当事務所では、良く起きる現象です。


1. 桐のデータを共有するための手順を教えてください。(Windowsのピアツーピアネットワーク機能を利用)。
ネットワーク上で共有するには、「事前の設定」と「使用時の設定」が必要になります。
つぎの内容を参照してください。

[事前の設定]
・Windowsのネットワーク設定に関して
 Windows 8.1/8 / Windows 7 / Windows Vista
・桐の設定に関して

[使用時の設定]
・表の使用に関して

なお、ここではネットワーク上のコンピューターを以下のように定義して説明します。

サーバーマシン 桐のデータファイルがハードディスク上にあるコンピューター
(桐を起動してそのファイルを直接使用することもある)
クライアントマシン サーバマシンにあるファイルをネットワーク経由で利用するコンピューター

ノート
ここでの説明は、あくまでもひとつの例として紹介します。
ネットワークに関する設定は一律ではないため、ご紹介した設定がお客様のネットワーク事情に合わない場合もあります。
また、Windowsの設定によっては表示されるメニューも異なってきます。
当社ではネットワークに関するサポートは行っておりませんので、ネットワーク管理者にご相談いただくか、Windowsのヘルプ・マニュアルなどを参照してください。
桐の共有機能は「2~3台のコンピューターで使用する」事を想定しています。このため、それ以上のコンピューターで使用した場合は、処理が遅くなることがあります。

「レコード共有情報が作れません」のエラーが出た場合
上記の設定をしても「レコード共有情報が作れません…」という内容のエラーが出た場合は「こちら」を参照してください。

こちら
表を共有で開こうとすると「レコード共有情報が作れません.共有管理情報フォルダの不一致または異なるバージョンの桐の共存の可能性があります」のエラーメッセージが出ます。
「桐のデータを共有するための手順を教えてください。(Windowsのピアツーピアネットワーク機能を利用)」で説明した設定をもとに、このエラーの意味を説明します。

サーバーマシン(サーバー名:KIRI)で「C:\Users\kiri\Documents\Kiri10\Data」にある「JUSHO.TBX」を先に共有で開き、その後クライアントマシン(クライアント名:KIRI-USER)から同じファイルを共有で開こうとしたときに、「KD1555:レコード共有情報がつくれません」のエラーが表示されたとします。
この時表示されるエラーダイアログには2つの「KIRI10.FSC(共有管理情報ファイル)」が表示されています。この「KIRI10.FSC」の「保存場所」がポイントです。
現在の環境:KIRI-USER  ERR=xxxx
\KIRI\Data\KIRI10.FSC
作成者の環境:KIRI
KIRI     C:\Users\kiri\Documents\Kiri10\Data\share\KIRI10.FSC
Z:\JUSHO.TBX

まず「作成者の環境」のKIRI10.FSCを確認してください。
共有管理情報ファイルは C:\Users\kiri\Documents\Kiri10\Data\share に作られていることが分かります。
現在の環境:KIRI-USER  ERR=xxxx
\KIRI\Data\KIRI10.FSC
作成者の環境:KIRI
KIRI     C:\Users\kiri\Documents\Kiri10\Data\share\KIRI10.FSC
Z:\JUSHO.TBX

つぎに「現在の環境」のKIRI9.FSCを確認してください。
クライアントマシンの桐が作成したKIRI10.FSCの場所が \KIRI\Data\ であることが分かります。
現在の環境:KIRI-USER  ERR=xxxx
\KIRI\Data\KIRI10.FSC
作成者の環境:KIRI
KIRI     C:\Users\kiri\Documents\Kiri10\Data\share\KIRI10.FSC
Z:\JUSHO.TBX

「\KIRI\DATA\」の「KIRI」はサーバー名、「DATA」は共有名を意味しています。
(「DATA」はサーバーマシン(KIRI)のフォルダーを共有フォルダとして公開したときに付けた名称です)
このことから、クライアントマシンの桐は、
 サーバーマシンにある「C:\Users\kiri\Documents\Kiri10\Data」フォルダーを
 「共有管理情報フォルダー」に設定している
と読み取ることができます。

つまり共有管理情報フォルダーの指定は、
サーバーマシン側 C:\Users\kiri\Documents\Kiri10\Data\share
クライアントマシン側  C:\Users\kiri\Documents\Kiri10\Data
となっており、エラーメッセージどおり共有管理情報フォルダーは一致していません。

今回のエラーは、クライアントマシンで桐の環境設定の「共有管理情報ファイルの場所」を設定する際に、「Z:\share」ではなく誤って「Z:\」を指定したことが原因であることがこれで分かります。

以上のように、「現在の環境」と「作成者の環境」の内容を比べることで、どの設定が間違っているかを解析する手がかりを得ることができます。

ノート
「共有管理情報ファイルの場所」の設定が正しくてもエラーになる場合は、「コンピューター名」を確認してみてください。
コンピューター名が重複していてもこのエラーとなる場合があります。
現在の環境:KIRI  ERR=xxxx
\KIRI\Data\KIRI10.FSC
作成者の環境:KIRI
\KIRI\Data\KIRI10.FSC
Z:\JUSHO.TBX

※「現在の環境」と「作成者の環境」が両方とも「KIRI」になっている。つまり、コンピューター名が重複している。

このような場合には桐を終了したタイミングで、「KD1572:ログインファイルが壊れています」のエラーが表示されることがあります。
コンピューター名の重複を回避していただければ、このエラーは出なくなります。
以上:3,923文字

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