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平成28年 7月27日(水):初稿 |
○「慎み深い私の真向法公開」記載の通り,私は、京大名誉教授「大島清の『快老』学」を読んで、平成15年10月から「真向法」を始めました。以来,平成27年7月の現在まで、日曜日を除いて殆ど毎日,「真向法」を継続しています。 ○生来の虚弱体質である私は,真向法を始める以前は,毎年,何日か寝込む風をひき,平成15年9月にもひどい風邪で40度の高熱を発し,1週間近く仕事に支障を来しました。これではいけないと、始めたのが真向法でしたが、お陰で,以来,寝込むような風邪をひくことはなくなりました。また、学生時代からの持病であった過敏性大腸症候群も相当程度改善され,常備薬であったビオフェルミンからも解放されました。 ○しかし真向法だけでは,筋肉強化にはなりません。特に60代以降急激に衰える下半身筋肉の強化には,真向法は殆ど役立たちません。私が,今,はまっている片足立ち健康法等下半身強化の鍛錬が必要です。その意味では,サンデー毎日2016.6.26号「真向法体操がスゴい!」の「1日3分でロコモも便秘も認知症も撃退!? 」は、「?」です。しかし、私は、真向法によって、生来の虚弱体質が相当程度改善されたことは間違いなく、若い方も興味を持って実践する方が増えることを念願しております。 以下、サンデー毎日2016.6.26号「真向法体操がスゴい!」全文備忘録です。 ************************************************* スゴい! 1日3分でロコモも便秘も認知症も撃退!? たった4ポーズの健康法 真向法体操がスゴい! 2016年6月14日Texts by サンデー毎日 80年以上の歴史を持つ健康法「真向法」。たった四つのポーズを合わせて3~5分繰り返すだけで、さまざまな効果が得られるという。政財界や芸能界、さらには医学界にも愛好者は少なくない。効果の秘密と正しい実践法を探った。 真向法(まつこうほう)の創始者の長井津(わたる)氏(1889~1963)は、実業界で身を立てようと福井県から上京、死にものぐるいで働いた。だが無理がたたったのか、働き盛りの42歳の時、脳出血に。左半身の自由を失い、医師にもさじを投げられ、失意のうちに故郷へ戻った。 生家は浄土真宗の寺院。帰郷した長井氏は「勝鬘経(しようまんきよう)」という仏典に心の安らぎを見いだそうとする。この経典に定められた礼拝作法を正しく行うことで真理に近付けると考え、「座礼」と「立礼」を不自由な体で徹底的に繰り返した。 はじめは満足に形もとれなかったが、続けていくうちに、こわばり動かなかった体が次第にゆるみ、感覚や動きが回復していったという。単純な動作を愚直に繰り返したことが、今でいうリハビリになったというわけだ。 長井氏は自身の経験から、この動きには健康増進効果があると考え、普及に努めた。その後、試行錯誤の末、先に挙げた二つの動作をもとにした「第一体操」「第二体操」に、「第三体操」「第四体操」を加えた四つの動作で構成する「真向法体操」を考案。今では老若男女を問わず、多くの人に愛好されるに至っている。 『イラスト決定版 真向法体操』(毎日新聞出版)を著した公益社団法人「真向法協会」によれば、この体操は柔軟性や運動能力の維持・向上のほか、代謝や治癒力アップ、便秘解消、美容やストレス解消にまで効果がある、としている。 体操の詳細は40・41ページをご覧いただきたい。正直なところ、「本当にこれだけでいいの?」「ただの下半身ストレッチでは?」という疑問も湧いてこよう。ところが、専門家に聞くと「(協会が説明するような)効果が期待できる」というのだ。 要介護度が最高の「5」と判定された寝たきりの高齢者が自力歩行できるようになったり、自分で食事ができるまでに回復する―などの実績で知られる高齢者介護施設「ウェルケアテラス川口元郷」(埼玉県川口市)。この施設で機能訓練指導員を務める中村道紀氏は、「真向法の動作は理にかなっている」と評価する。 「動く時だけでなく、立っている時、座っている時でも股関節が体のバランスをとっています。老化によって股関節が固まれば、転倒リスクが高まったり、日常の動作が困難になります。このため、股関節を無理なく柔らかくする運動が重要なのです」 さらに、全身状態を良好に保つ上でも大切な役割を果たすという。 「筋肉は体内に水分をためておくタンクのような役割を果たすため、筋肉が減少した高齢者は水分補給が欠かせません。ですが、このことがあまり意識されず、慢性的な脱水状態になっている人も少なくない。運動で筋肉を動かし、水分補給が活発になれば、血流だけでなく排泄(はいせつ)機能にも良い影響を与えます」(中村氏) 老化や、使わない体の部分の機能が衰える廃用症候群による運動器症候群(ロコモティブ・シンドローム、略称ロコモ)は重大な健康リスクだ。高齢者ほど機能の衰えは顕著になる。 「老化と廃用症候群の両方に効果がある運動は、高齢者の介護予防や、既に介護が必要になっている人の生活改善にとって重要です。普通なら年齢とともに徐々に落ちていく機能を一定の状態で維持する、そこに有効な体操ではないでしょうか」(同) しかも、単に体の動きがスムーズになるだけではなく、脳を含めた全身機能の向上も期待できるという。 「覚醒下脳外科手術」の第一人者、都立駒込病院脳神経外科の篠浦伸禎部長は、自らも真向法を実践、その効果を体感している一人だ。 「脳は使わないと衰えるし、血流が落ちれば神経細胞が萎縮し、認知症につながる。そこまで進行する前の、一時的な機能低下の段階なら血流の増加によって回復する見込みはあります。また、脳には帯状回と呼ばれる“司令塔”があり、普段はこの部分が脳の扁桃(へんとう)体を制御している。けれど、血流が落ちると扁桃体が優位になり、ストレスをコントロールできず、うつ病や統合失調症のリスクが上がる。また帯状回は体幹にも関係しているとみられ、帯状回に梗塞(こうそく)があると姿勢を保てなくなります。このため、帯状回の血流を増やすことが重要なのです」 体幹を使って「血流」を増やす 真向法は股関節まわりのストレッチだけでなく、後で述べるように体幹、腹部の曲げ伸ばしを重視する。篠浦部長によると、腹部は脳の視床下部にもつながっており、真向法による刺激が帯状回や視床下部へ伝わり、脳への血流増加に非常に効果があるという。 「その意味では、真向法は精神面にもすごくいい。精神状態によって体調も変わってきますから。がんという病も心の持ちように左右される面が大きい。血流が落ちると扁桃体を制御できなくなるだけでなく、がんが生きやすい体内環境にもなる。血流を良くすることが、健康全般の基本になります」(篠浦部長) 真向法の“極意”とは、体を動かしやすくしたり、脳が刺激されることで体内の血流が増え、全身にさまざまなプラス効果をもたらす、ということのようだ。 ただし、真向法は正しく行わないと効果は期待できない。前出・真向法協会の小野将広氏に正しい実践のコツを聞いた。 「真向法は行きつ戻りつ、伸び縮みさせてゆるめる、これが大前提です。動かした分だけ戻すのが大切なポイントです。また足だけの運動ではなく、体を倒した後に起こすことで腹筋や腰筋、体幹を使うことになる。この点が重要です」 そうしたコツを理解して実践すれば、「上半身と下半身は関節をまたいで腱(けん)や靱帯(じんたい)でつながっているので、股関節が固まると背骨に異常がなくても姿勢が悪くなる。そこの矯正につながる。最初は完璧にできなくてもいいので、しっかり頭で動きを意識しながらやってみてください」(小野氏)。 四つの体操は、真向法の長い歴史の中で吟味され、絞り込まれてきたもの。体の表と裏、前と後ろ、上と下をバランスよく整えられるので、四つ全てを行うことが効果アップにつながる。 第一から第三までをそれぞれ20秒ほど。これを2~3セット繰り返し、最後に第四を1分間―と、全てをこなしても概(おおむ)ね3~5分程度。真向法の実践者は「体操を習慣にして、日々継続することで効果が出る」と口をそろえる。まずは起床時、あるいは就寝前の3分から取り組んでみてはどうだろう。 (本誌・中西庸) 以上:3,432文字
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