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2011/ 4/ 1 第50号 笑顔弁護士

平成24年 2月29日(水):初稿
横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

 「斎藤一人の道は開ける」という、とても面白い本があるんですね。

 少し前に読みました。斎藤一人は言うまでもなく、生涯納税額第一位の大商人です。この大商人のところに、永松茂久さんという若者が押し掛けて、成功の秘訣を教えて貰う話しです。

 永松さん自身、若いころからの夢であるタコ焼屋さんを開業し、多くの人を使い、大きな店を2軒も開いたやり手です。しかし、どうも最近うまくいかないという中で、斎藤一人の教えを仰ぐことになったわけです。

 永松さんから、「どうしたら斎藤さんのような大実業家になれるのか?」と質問されて、「大切なことは3つあるんだよ」と、大商人は教えます。

 「いいかい、よく聞きな。3つのうちのひとつは笑顔だよ」「はい?」「1つ目は笑顔、2つめがうなずきだな。3つめがハッピーな言葉。『ツイてる、うれしい、楽しい』という天国言葉。この3つさえあれば大丈夫なんだよ」成功の秘密は、こんなにも平凡なことだと聞いて、著者の永松さんは、「正直言って、がっかりした」んですね。どうにも納得できない。これに対して、斎藤一人は次のように説明してくれます。

 「この世の中に商人でない人なんか、ただのひとりもいない。弁護士だって、医者だって、国会議員だってみんな商人なんだ。」「それってどういうことかというと、お客さんがいるということ。目の前に人がいるから売れるんだ。」「だから、人様に気を使い、目の前にいる人に喜んでもらうことが成功の秘訣なの。簡単なんだよ。」永松さんは、この教えを実行します。笑顔なんてと、バカにしていたのに、実際に始めると、とても難しいことが分かるんですね。しかし、笑顔や天国言葉を続けていくうちに、お店が面白いようにうまく回り出します。それだけで、売り上げが何倍にも増えていくわけです。一方、私の方はといいますと、この本を読んでいて、「あれあれ、どこかで聞いた話だな?」と思ったのです。

 私は今から丁度4年前に、既存顧客ゼロの状態から、弁護士として独立開業しました。それ以来、お客様を集めるためのマーケティングのことが、いつも頭の中にありました。

 ただ、そんなことをいつも考えていて、人と話すときも、相手の言うことを真剣に聞かなかったり、いつもピリピリしていたようです。独立して2年ほどして、ある程度お客様も来るようになったとき、妻に言われたんです。

 「そんな怖い顔をして事務所のことばかり考えていないで、いつも笑顔でいた方が良いよ。人の話を、真剣に聞いて、周りの人にちゃんと挨拶しないと。そっちの方が、マーケティングよりずっと大切だし、それができれば事務所もきっとうまくいくよ!」しかし、私はそんなアドバイス、全くバカにしていたんです。「これだから、何も知らない人は困るなあー」と考えていたのです。しかし、今になって、妻が教えてくれたことが、事務所の発展にとって一番大事なことだったとよく分かりました。

 本日から事務所も5年目に入り、このニュースレターも第50号となりました。顧問先の皆さま始め、多くの方に信頼してもらえるよう、いつも笑顔で、人の話しをうなずきながら真剣に聞き、前向きにやっていきます。

 今後とも、どうかよろしくお願いいたします。

 
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 弁護士より一言

 著者の永松さんは、子供のころからタコ焼屋を目指していたそうです。

 確かにタコ焼には、子供心を揺さぶる美味しさがありますね。

 5歳になる息子が、先日外でタコ焼きを食べてきたということで、あまりの美味しさに感動したようです。こんな美味しいものを知らない可哀そうなパパに、なんとか美味しさを伝えようとしてくれました。

 「フーフーあつくって、まるくって、・・・」「へー、それで、中に何か入っているの?」と質問したら、元気いっぱい答えてくれました。

 「なかには、死んだタコがはいってるんだよ!」なんだか、しばらくタコ焼を食べる気がなくなってしまったのでした。

 (2011年4月1日第50号)
以上:1,611文字

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