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2009/ 6/ 1 第 6号 贋金つくり(3)

平成24年 2月29日(水):初稿
横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

 前回のニュースレターで、株式分割による贋金つくりについて書いたところ、「株式を分割するだけで、なぜ株価が上がるのか理解できない」というご質問を頂きました。

 確かに、株式を50分割すれば、それまでの1株は50分の1になるのが当たり前です。なぜ、そうならないで、株価が上がってしまったのか、本当のところは私にもよく分かりません。

 しかし、ホリエモン以前でも、例えば株式分割で、1株を1・2株くらいに増やしても、株価は事実上さがらないので、結果的に株の価値が1・2倍になるといった現象はよくあったようです。それを受けて、50分割だなんて、普通の人には考え付かないことをしたのが、ホリエモンの天才なところなんでしょうね。

 株式投資の世界では、こういうのを「より馬鹿理論」で説明するようです。株式が50に分割された場合、「自分より馬鹿な奴が、分割にもかかわらず以前の高い値段で買うだろうから、自分もそれを見越して今のうちに買っておこう。」と多くの投資家が考えるそうです。それによって株価が上がるというわけですね。

 何にしましても、このへんのやり口は、まさに「贋金つくり」というに相応しい気がします。

 しかしなにも、株式分割なんてしなくても、株式上場自体、贋金つくりの宝庫なんですね。

 株式の上場に当たって、上場する企業に資金を投入しているファンドなどの利害関係人がいます。その人たちが、自分達の息のかかっている会社に、上場する会社と取引をさせるわけです。これによって、上場する会社の売り上げは膨らみ、業績はアップしますよね。このように、下駄を履かせておいて、上場させるわけです。

 一般投資家は、水増しされた業績をその企業の実力と考えて、高い価格で、新しく上場された企業の株式を購入します。そうして株価を吊り上げておいて、ファンドなどはさっと売り抜けて、あとは知らないなんてことがかなりあったようです。

 これなんか、かなり詐欺の匂いがします。この辺の手口は、かなり有名ですし、多くの人が知っているはずです。ところが、何故か特に大きな問題になっていないようです。こういうのは野放しで、ライブドアや村上ファンドだけ処罰されるというのも、確かに不思議な気がします。

 以上、株式を使った贋金つくりを見てきましたが、これらはやはり特殊な世界の話のような気がします。普通の会社では、やろうと思っても出来ません。

 それに対して、普通の会社でも簡単に作ることの出来る「贋金」があります。前売り券や回数券といった金券です。この「贋金」は基本的に合法的に作れます。しかし場合によっては、これも法的に問題になる場合が出てきます。

 「ああ、あの事件ね。」と思った方も多いでしょう。もう一度だけ、次回に続けさせてもらいます。

 
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 弁護士より一言

 1年程前のことですが、当時小学1年生の娘が、算数の文章問題をまったく理解できていないと妻から聞きました。

 「校庭に1年生が3人いました。そこに、2年生が5人来ました。合わせて何人になるでしょう」なんて問題が出ますと、1+3+2+5=と、数字を全部足してしまうそうです。口は非常に達者になっているのに、なんでこんなのが分からんのだ、と思っていました。

 もう寝る時間なのに、何か書いていて、ちっとも支度をしません。怒ると、書いていた手紙をくれました。

 ぱぱまいにちかいしやいてくれてありがとう。

 また、いつしよにあそんでね。

 だいすき。

 足し算なんか出来なくてよいから、これからもパパを大好きでいて欲しいなと、そのときは思ったものでした。

 しかし、まだまだ親の欲目で、娘について正しい判断ができていなかったと思い知らされる出来事が、最近起きたのです。(次回に続く。って、こんなくだらないものまで、続けんなよ!)

 (2009年6月1日第6号)
以上:1,549文字

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