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2009/ 5/16 第 5号 贋金つくり(2)

平成24年 2月29日(水):初稿
横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

 今回は、企業が合法的に作る「贋金」と、その問題点についてということですね。

 まずは、贋金といいますと、最近流行の電子マネーなんかが思い浮かびます。電子マネー自体が、法的に問題があるとはいえませんが、使い方によっては非常に大きな問題が生じます。

 たとえば、少し前に世間を騒がせたL&Gの「円天」なんていうのは、そのものずばりの「贋金」でしょう。会員のお金を吸い上げて、「円天」という贋金と交換する。ところが、円天は使い物にならないわけですから、まさに詐欺といってよい事案だと思います。これなど、もし会社から顧問弁護士として相談を受けたら、「これは駄目です」といった自信があります。

 しかし、企業の作る「贋金」の中には、私が相談を受けていても、「これは大丈夫でしょう」なんていってしまいそうなものがあるので、怖いのです。

 企業の作る「贋金」の王様といえば、なんと言っても株式です。特に、株式上場は、現代の錬金術とまで言われているようです。株式が「贋金」といいますと、やはり思い浮かべるのはライブドアの件ですね。

 特に私が感心したのは、株式分割を用いた「贋金つくり」です。

 それまで1株だったものを50株位に分割します。普通に考えれば、1つの株を50に分けただけですから、1つあたりの価値は50分の1に下がるはずです。ところが、なぜかそうはならないんですね。例えば株価が10分の1までしか下がらないと、分割しただけで株の価値が5倍になります。まさに、「贋金つくり」の王道じゃないでしょうか。

 話は変わりますが、「ポケットの中にはビスケットが1つポケットをたたくとビスケットは2つ」「たたいてみるたびビスケットは増える」「そんな不思議なポケットが欲しい」なんて歌がありますよね。

 私は幼稚園児の頃、そのポケットではなく、この歌の方が不思議でならなかったんです。

 私の考えでは、ビスケットの入ったポケットを叩けば、ビスケットは割れて2つになります。叩くたびに割れて数は増えるでしょうが、ビスケット自体は増えません。だから、そんなポケットを不思議がる人の方がおかしい、と考えていたわけですね。

 えーと、つまり何が言いたいかといいますと、私は幼稚園児のころから、株式分割による贋金作りの欺瞞性に気が付いていた、ということなんであります。(しら~)下らないことを書いているうちに、今回も終わってしまいました。贋金つくりについては、更に次回に続けたいと思います。

 
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 弁護士より一言

 ニュースレターも回を重ねてきましたので、皆様から多くのコメントを頂くようになりました。せっかくですから、いくつかご紹介したいと思います。

 まずは、「毎回、深い学識と豊かな経験に裏打ちされ、しかもユーモアとウイットあふれるお話しで、とてもとても楽しみです。ニュースレター発行の前の晩は、あんまり楽しみで、夜中に一睡も出来ません。」なんてコメントは有りませんでした。(無いんだったら、ながながと書くなよ!)私の減量については、共感のコメントを何人もの方から頂きました。

 苦しんでいるのは、私だけではなかったようです。

 斎藤一人先生については、私のほかにもファンの方が大勢いらっしゃることが分かりました。

 なんと言っても嬉しいのは、「読んでいて思わず笑ってしまいました。」なんてコメントですね。笑ってもらって喜ぶなんて、駆け出しのお笑い芸人みたいですが、楽しんでもらえていると思うと、やる気が沸いてきます。

 何人かの方から、このニュースレターを、他の人に転送してもよいのかとの質問がありました。もちろん、一向に構いません。ニュースレターを月に2回書くのは、結構大変なだけに、読者が増えると思うと嬉しくなりますね。

 励みになりますので、引き続きコメントや質問等頂けましたら幸いです。

 (2009年5月16日第5号)
以上:1,565文字

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