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法面を挟んだ土地の境界の原則を定めた崖地処分規則全文紹介

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令和 5年 2月 9日(木):初稿
○法面(傾斜地)を挟んだ上にある土地と下にある土地の境界は、法面の上端、中間、下端のいずれになるのでしょうかとの質問を受けました。参考図面を「あなたの街の登記測量センター」「傾斜地の筆界」に示された下図では、A・B・Cいずれかとの質問です。



○一般的には法面を挟む土地の境界は法面の下端と言われています。その根拠は、明治10年に制定された「崖地処分規則」第1条「中間ニ在ル崖地ハ上層ノ所属トスベシ」にあるようです。この「崖地処分規則」全文を探したところ、関口法律事務所ブログ2020年3月17日「崖地処分規則」の全文 土地の間にあるがけは上下どちらのもの?」に掲載されていましたので、お借りして掲載します。意訳は同サイトをご覧下さい。

崖地處分規則

第1條
凡ソ甲乙兩地ノ中間ニ在ル崖地ハ上層地ノ所属トスベシ
其從來ヨリ下底所属ノ確証アルモノハ舊(※旧)貫ノ儘ニ据置クベシ

第2條
崖地ノ險欹シタルモノニシテ假令中間ニ小樹ノ類茂立スルトモ土砂ヲ扞止スルマデニ止マリ他ノ用ヲ爲サヾルモノハ繩外トシ本地券面腹書ニ外何番地境崖地繩外所属ノ趣ヲ記シテ其所属主ニ付與(※与)スベシ
其ノ傾斜ノ甚シカラス開墾シテ桑茶蔬菜等ヲ植付得ベキ者ハ本地一繩ニ籠メ取調ベシ

第3條
從前ヨリ崖地半腹ヲ以テ境界トセルモノハ上條ニ照準シ實(※実)況ニ應シ各箇ニ處分スベシ

第4條
第2條ノ桑茶蔬菜等植付得ヘキ崖地ニシテ未タ所有者之ナク拂(※払)下ケヲ要スルモノアルトキハ先ツ上層地主ノ望ニ任セ望ナキトキハ下底地主ヘ拂下クベシ
但シ斜面ノ極メテ緩ナルモノニシテ必スシモ上層地ニ属セシムルヲ要セザル者ニテ上下主共ニ拂下ケヲ願フトキハ雙方ノモノヘ入札法ヲ以テ拂下ルカ又ハ半腹ヲ界トシ雙方ヘ拂下クルモ妨ケナシ

第5條
石垣又ハ竹木柵等ヲ以テ土止ヲナセル崖地ハ從前ノ証迹ニ據(※拠)テ其所属ヲ定ルベシ
即チ土止メ及ヒ修理等上下主ノ内一方ニテ為シ來レル者ハ其一方ノ所属トシ雙方合力シテ為シ來レル者ハ雙方ノ共有トシ若シ地主轉(※転)換シテ証跡ノ徴スベキナキ者ハ以テ上層地ノ所属トナシ第二條ノ如ク本地券面腹書ニシ所属主ニ付與スベシ
但シ雙方ノ共有トナスモノハ兩券面共ニ其趣ヲ腹書スベシ

第6條
右ノ如ク其所属ヲ一定シ其修理ハ所属主ニ於テ為サシムルベシト雖ドモ崖上下地主ハ其所属ノ何レニ在ルヲ問ワズ等シク該崖地保全ノ義務アルヲ以テ崖上崖下共ニ其崩壊ヲ致スベキ事功ヲ起スコトヲ得ザル者トス
以上:1,000文字

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