平成28年 3月 4日(金):初稿 |
○「会社所有建物工場抵当権が個人所有機械も及ぶとした最高裁判決全文紹介」の続きで、古い判決ですが、大正9年12月3日大審院判決(民録26輯1928頁、民抄録90巻22335頁)を紹介します。 要旨は、 ①工場の用に供する物は、たとい当事者が抵当権の目的となす意思を表示しなくても、当然に抵当権の目的となる、 ②工場の用に供する物は、たとい土地建物に抵当権が設定された後に備付けられた場合にも、抵当権の目的となる、 ③工場の用に供する物は、たとい工場抵当法3条による目録に記載がない場合にも、抵当権の目的となる というもので、これで解説文献が殆ど絶版状態の工場抵当法に関する重要判例はほぼ網羅しました。 ○私が求めていた記述は3頁目の 「工場抵当権者は工場の用に供する物件については目録に記載されていない物件についても第三者の権利を害しない限り抵当権実行のためにこれをも競売することができる。従ってその競落者は競落によって有効にその所有権を取得してこれをもって抵当権設定者に対抗することができる」(私なりに口語体に変換) と言う点でした。 以上:458文字
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