○当事務所では,顧問会社は10数社しかなく、その相談と言えば、売掛金・賃料等債権回収、会社役員の相続問題等売買・賃貸借・相続等一般法律問題が多く、会社自体の問題と言えば、従業員の問題行動に対する懲戒解雇等労働問題が多く、会社法自体の問題は余りないため会社法は余り勉強の必要性がありませんでした。ところが、今般、事業分離に伴う会社分割の相談を受け、会社法自体と税務問題についての勉強が必要になり、先ず会社分割制度について勉強して行きます。以下、備忘録です。
会社分割の根拠条文
会社法(以下、単に法と言う)第3章会社分割として、757条から766条まで10条に渡って詳細に規定されている。
更に、吸収分割・新設分割と2節に分けて規定され,その条文全体を把握する必要がある。
第1節 吸収分割 (第757条~第761条)
第1款 通 則 (第757条)
第2款 株式会社に権利義務を承継させる吸収分割 (第758条~第759条)
第3款 持分会社に権利義務を承継させる吸収分割 (第760条~第761条)
第2節 新設分割第1款 通 則 (第762条)
第2款 株式会社を設立する新設分割 (第763条~第764条)
第3款 持分会社を設立する新設分割 (第765条~第766条)
財務省HPでの新設分割・吸収分割の図説
会社分割とは
会社がその事業に関して有する権利義務の全部または一部を他の会社に包括的に承継させること
ポイント
①承継対象は,事業(営業)に限らず権利義務
承継対価が厳禁の場合は事業譲渡に似て、個別の権利義務であれば資産譲渡に似るが、包括承継である点がことなる。
②包括承継という意味では合併に似るが、権利義務全部の分割をした場合、分割会社の法人格は合併では消滅するも、分割会社では残る
③個別取引法上の行為ではなく「組織法上の行為」である。
会社分割の4つの基本形
吸収分割
すでに存在している他の会社に,自社の権利義務の一部または全部を承継させる方法(法2条29号)
新設分割
新しい会社を自ら設立して、その会社に自社の権利義務の一部または全部を承継させる方法(法2条30号)
分社型
権利義務を承継した会社が発行する株式等の対価を、その権利義務を譲渡した「会社」自身が取得する方法
分割型
権利義務を承継した会社が発行する株式等の対価を、その権利義務を譲渡した「株主」に取得させる方法
4つの基本形とは
分社型吸収分割、分社型新設分割、分割型吸収分割、分割型新設分割
財務省HPでの新設分割・吸収分割の図説
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