平成21年 1月 9日(金):初稿 |
○平成12年12月に「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」略称マンション管理適正化法が成立しています。略称マンション法(または区分所有法)と呼ばれる法律は正式名称は「建物の区分所有等に関する法律」であり、マンション管理適正化法とは異なります。我々法律専門家でもマンションを規制する法律として区分所有法まではある程度勉強してもマンション管理適正化法まではなかなか手が回りません。 ○私の生活の糧を得ている法律事務所も、また日常生活の場である居宅も、いずれもマンションの一室であり,マンションとは切っても切れない状況で、法律専門家としてマンションを規制する法律に関しては可能な限り、勉強しておく必要があるところ、平成20年夏、マンション管理適正化法が適用された事例についてに後記の河北新法記事が配信され、この法律の勉強の必要性を更に感じていました。 ○そこでマンション管理適正化法について私の備忘録を少しずつ整理していきます。 全体像は次の通りです。 目次】第1章 総 則 (第1条~第5条) 第2章 マンション管理士 (第6条~第43条の2) 第3章 マンション管理業 (第44条~第90条) 第4章 マンション管理適正化推進センター (第91条~第94条) 第5章 マンション管理業者の団体 (第95条~第102条) 第6章 雑 則 (第103条~第105条) 第7章 罰 則 (第106条~第113条) 附 則 ○法律は通常第1条に法律の目的が規定され次の通りです。 第1条(目的) この法律は、土地利用の高度化の進展その他国民の住生活を取り巻く環境の変化に伴い、多数の区分所有者が居住するマンションの重要性が増大していることにかんがみ、マンション管理士の資格を定め、マンション管理業者の登録制度を実施する等マンションの管理の適正化を推進するための措置を講ずることにより、マンションにおける良好な居住環境の確保を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。 目的は、「マンションにおける良好な居住環境の確保を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与する」 そのため「マンション管理士の資格を定め」、「マンション管理業者の登録制度を実施する等マンションの管理の適正化を推進するための措置を講ずる」とありますが、これだけでは具体的内容が不明で,徐々に各条文を当たっていきます。 ***************************************** 2008年08月27日水曜日河北新法配信記事より 設備工事過大請求か Aビルサービス立ち入り 東北整備局 ビル管理業の宮城県内大手「Aビルサービス」(仙台市)が、仙台市青葉区のマンション「Bコーポ○○町」の管理業務をめぐり、管理組合法人に損害を与える行為を繰り返した疑いがあるとして、東北地方整備局がマンション管理適正化法に基づき、同社を立ち入り検査していたことが26日、分かった。 管理組合関係者によると、Aビルサービスは管理組合から請け負った2005年8月の積算電力計交換工事で、実際に施工した孫請け会社との間に業務実態のない会社を介在させ、工事代金を約110万円つり上げた疑いがあるという。 介在した会社は、5年ごとの建設業許可の更新手続きをせず、05年7月に許可が失効していた。04年8月に実施した同マンションの空調設備改修工事でも同じ会社が介在しており、管理組合側は約300万円を過大請求されたとも主張している。 Aビルサービスは「別のマンション改修で実績のある会社だったため、管理組合の了承を得て工事を一括下請けに出した。現場では工事の工程管理を担っていた。電力計交換工事の時期に、許可が失効していたことは知らなかった」と説明している。 Bコーポ○○町管理組合は07年3月、Aビルサービスへの管理業務委託を解約。今年3月、関係資料とともに、損害額の返還と経緯の説明を求める文書を提出した。 Aビルサービスは「管理組合側から訴訟が提起されることを想定し、回答を控えている。内容は弁護士と相談している」と話している。 01年8月に施行されたマンション管理適正化法は「管理業」について規定し、管理会社が管理組合のために機能するよう国土交通相への登録制を導入した。Aビルサービスは02年5月、マンション管理業として登録。社団法人高層住宅管理業協会(東京)の東北地方支部長を務めている。 以上:1,842文字
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