平成20年 8月 7日(木):初稿 |
○ある事件で某自治体施行土地区画整理事業における仮換地指定処分についての勉強が必要になり、ちと長くなりましたが、土地区画整理法(区整法と省略)、行政不服審査法(不審法と省略)等行政関係法等の必要部分を私の備忘録として整理します。但し、行政関係法規全く不勉強なため正確性は疑問です。 仮換地指定とは 土地区画整理事業において、工事の円滑化及び権利関係の早期安定の目的のため換地処分を行う前に、仮の換地たる宅地を定め、使用収益を行使できる権原を付与することを仮換地指定と言い、指定した換地を仮換地という。 仮換地の指定基準 施行者は、仮換地指定をする場合、換地計画で定められた事項又は土地区画整理法に定める換地計画決定基準を考慮しなければならない。 区整法(換地)第89条「換地計画において換地を定める場合においては、換地及び従前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めなければならない。」 仮換地指定の手続 自治体施行の場合(区整法3条4項「都道府県又は市町村は、施行区域の土地について土地区画整理事業を施行することができる。」)、土地区画整理審議会の意見を聴いて行う。地権者等の同意は不要であることが重要。 尚、建前上、土地区画整理審議会は、意見を出すに当たっては事前に地権者から詳しい事情聴取をするなどして、地権者の意向を優先しているとのことで、その意向を無視して仮換地処分を行うことは少ないとのことです。 しかし、弁護士湯川二朗氏2007年10月21日日記区画整理再開発対策全国研究集会によると「全国各地から集まった人々の区画整理・再開発に対する怒りや涙があふれていた。仮換地で換地のほとんどが決定するのに、施行者は他の地権者がどのような仮換地を受けたのか全く明らかにしない。しかし、全体の換地の従前従後の状況が分からないと、自分の換地が正当なのかどうかわからない。中には、反対しているために換地が最後に回されてL字型の換地にされた人や、理事者だけが良い所を優先的に換地されているケースもある。ところが、施工者は個人情報保護をたてに換地の全体図は示さない。どうして他の地権者の仮換地を知ることが個人情報保護に反するのか。そもそも換地計画の縦覧は、誰もが、換地の全体図を見ることができるのだから、仮換地でもできないはずがないのではないか。」とのことで地権者の同意なく行う自治体施行仮換地指定処分には相当問題事案が多そうです。 また新横浜長島地区土地区画整理事業HP報告によると平成12年1月に一部地権者の意向を無視して仮換地指定処分がなされ、平成15年8月に世紀の悪業「直接施行」(2003.8.21)と非難される「直接施行」と呼ばれる事実上の強制執行がなされています。 以上:1,139文字
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