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身体障害者福祉法の基礎の基礎1

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平成19年 3月20日(火):初稿
○私は、幼児時代から25歳まで患っていた中耳炎のため徐々に両耳の難聴が進み、30代後半から補聴器を使用し、50歳の時、両耳聴力損失70db以上の聴覚障害による身体障害6級の認定を受け身体障害手帳を交付され、現在は補聴器がないと普通の会話は出来ない身体障害者で、みやぎ・せんだい難聴者中途失聴者協会と全日本難聴者・中途失聴者団体連合会(全難聴)に所属しています。

○みやぎ・せんだい難聴者中途失聴者協会では一応理事になっていますが、時々法律に関わる問題のアドバイスを求められたときに回答するくらいで、会議にも殆ど参加しない幽霊理事です。ところが、今般、全難聴の平成19年10月開催全国福祉大会での分科会で身体障害者福祉法について法律問題助言者を依頼されました。

○弁護士は全ての法律に通じていると誤解されている方も居ますが、仕事で使う法律以外は、昔受験勉強した法律すら忘却しており、まして仕事で使うことのない法律は殆ど知識が無く、身体障害者福祉法も全く不勉強でした。

○しかし前記の通り6級の身体障害手帳をもっていることもあり、これを機会に少し勉強する必要性を感じ、ネットで文献を探したところ、身体障害者福祉法解説文献は、有斐閣発行桑原洋子著社会福祉法概説第5版くらいしかありません。早速購入しましたが、身体障害者福祉法解説部分は、僅か39頁だけで条文にごく僅かの解説があるだけです。

○法律の基本は条文理解に尽きますので、以下、備忘録として私なりの条文解説を残します。
(法の目的)
第1条 この法律は、障害者自立支援法と相まつて、身体障害者の自立社会経済活動への参加を促進するため、身体障害者を援助し、及び必要に応じて保護し、もつて身体障害者の福祉の増進を図ることを目的とする。

ここでの自立とは、職業的・経済的自立のみならず、日常生活上の身辺自立を始め様々な社会活動への参加を含む「主体的生活の実現」との意味です。

(自立への努力及び機会の確保)
第2条 すべて身体障害者は、自ら進んでその障害を克服し、その有する能力を活用することにより、社会経済活動に参加することができるように努めなければならない。
2 すべて身体障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会を与えられるものとする。

これは、身体障害者自身に対する自立への努力と積極的な社会参加の要請です。
2項の「参加する機会を与えられる」とは、次条の国及び地方公共団体の責務に繋げる文言のようにも読めますが、国民に対する協力要請にも読める中途半端な表現です。

(国、地方公共団体及び国民の責務)
第3条 国及び地方公共団体は、前条に規定する理念が実現されるように配慮して、身体障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するための援助と必要な保護(以下「更生援護」という。)を総合的に実施するように努めなければならない。
2 国民は、社会連帯の理念に基づき、身体障害者がその障害を克服し、社会経済活動に参加しようとする努力に対し、協力するように努めなければならない。

1項は、国と地方公共団体の身体障害者援助・保護施策実施の抽象的理念を示すもので、具体的には13条以下に規定されています。
2項は、国民一般に対する身体障害者に対する理解と協力への努力を要請したものです。障害者に対する偏見・差別を止めてその自立のために協力に努めて下さいと言うものです。


以上:1,406文字

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