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”家庭の法と裁判”14号大塚正之弁護士不貞行為慰謝料裁判例分析紹介1

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平成30年 8月 7日(火):初稿
○日本加除出版株式会社発行「家庭の法と裁判」平成18年6月15日発行第14号39頁以下に大塚正之弁護士が平成27年10月から平成28年9月までの1年間に東京地裁で言い渡された判決の中から、婚姻関係にある夫婦における不貞行為慰謝料に関する裁判例123件を選び、様々な角度から分析した結果について、「不貞行為慰謝料に関する裁判例の分析(4)」として論述されています。

○不貞行為慰謝料請求の被告による分類として、被告を
①不貞行為配偶者とその相手方双方-16件
②不貞行為配偶者のみ-5件
③不貞行為相手方のみ-98件
の3パターンに分けて紹介しています。④その他として4件上げていますが、相手方とその父を共同被告としたもの、相手方が夫を、妻が相手方をそれぞれ被告として併合されたものなどがあるとのことです。②不貞行為配偶者のみの事案を探しているのですが、やはり、件数が少ないのでなかなか見つけられません。大塚弁護士には、全123件の裁判例判決年月日と出典を開示して頂きたいところでした。

○今回は、①不貞行為配偶者とその相手方双方-16件の分析結果を紹介します。
先ず概要です。
№ 請求者 請求額 認容額 婚姻期間 円満度 不貞期間 破壊度 未成熟子  悪質性     その他
      (万円) (万円) (年)
4  夫   1000  170    6    3    2年   3    0             弁済/時効
6  元夫  600   100   19    1    2月   1    2    非計画的
8  妻   800   150   19    2    6年   2    0    悪質な嫌がらせ
32 夫   1500  300    7    3    3月   3    0    積極的
43 元妻  500   200    7    2    4年   2    2             弁済
50 元妻  500   150    3    3    1年   2    1
53 元妻  1000  300    4    3    4年   3    2    離婚要求
54 元夫  500   100    6    1    4月   1    0
67 妻   700   250    8    3    3年   2    3    夫の不誠実
69 妻   300   150    4    3    3月   2    2
79 妻   1000   80    6    1    3年   1    0             弁済
88 元妻  500   180    5    2   1年半   2    2
103 元妻  300   250    3    3    1年   2    3    追い出し


○上記の円満度とは、不貞行為当時
3;円満又は特に言及なく通常の夫婦関係と思われる事例
2;必ずしも円満ではないものの、破綻が近いとか破綻しかかっているというわけでもない中間的なもの
1;危機に瀕しているとか破綻しかかっているなど破綻に傾いているもの
で、平均認容額は、円満度3約224万円、円満度2約177万円、円満度1約93万円となっています。

○不貞行為の期間は、認容金額に余り相関関係が認められず、認容金額は、例えば積極的に婚姻関係を破壊しようとするなど不貞行為態様の悪質さの方が影響しているとのことです。破壊度は、その程度判定は困難ですが、破壊の程度の
高いもの3、
普通のもの2、
低いもの1
として、平均認容金額は破壊度3約257万円、破壊度2約190万円、破壊度1約93万円とのことです。

○数年前、最近の不貞行為慰謝料請求のマックスは300万円と裁判官自身から聞いたことがありますが、上記結果は正にその通りのようです。しかし、先進諸国は、このような慰謝料請求自体認めていない国が多く、私は認めるとしてもマックス100万円位で十分と思っております。なんて言うとそれでなくても少なくなっている弁護士の仕事が益々少なくなると、弁護士業界一部から袋だたきに遭いそうですが(^^;)。

   
以上:1,715文字

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