平成24年 9月11日(火):初稿 |
○児童虐待事例の増加により、「児童虐待の防止等を図り、児童の権利利益を擁護する観点から、親権の停止制度を新設し、法人又は複数の未成年後見人を選任することができるようにすること等の措置を講ずる」との理由で、平成23年6月に民法親族法の改正が行われ、「これに伴い家事審判法及び戸籍法について所要の改正を行うとともに、里親委託中等の親権者等がいない児童の親権を児童相談所長が行うこととする等の措置を講ずるため、児童福祉法の改正」がなされました。 ○この際、離婚の際の子の監護者の決定等に関する民法第766条も以下の通り改正されていました。 <平成23年改正前> 民法第766条(子の監護者の決定) 父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者その他監護について必要な事項は、その協議でこれを定める。協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、これを定める。 2 子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の監護をすべき者を変更し、その他監護について相当な処分を命ずることができる。 3 前二項の規定は、監護の範囲外では、父母の権利義務に変更を生ずることがない。 <平成23年改正後> 第766条(離婚後の子の監護に関する事項の定め等) 父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。 2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、同項の事項を定める。 3 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前2項の規定による定めを変更し、その他子の監護について相当な処分を命ずることができる。 4 前3項の規定によっては、監護の範囲外では、父母の権利義務に変更を生じない。 ○この民法等の一部を改正する法律の内民法第766条についての改正部分は以下の通りです。 第766条第1項中 「その他」を「、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の」に改め、 同項後段を次のように改める。 「この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。」 第766条第3項中 「前2項」を「前3項」に改め、 同項を同条第4項とし、 同条第2項中 「子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の監護をすべき者」を「家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前2項の規定による定め」に改め、 「その他」の下に「子の」を加え、 同項を同条第3項とし、 同条第1項の次に次の1項を加える。 2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、同項の事項を定める。 ○以上の改正、以下のニュースで認識不十分を知らされました(^^;)。 ************************************************* 養育費や親子面会、取り決めて離婚は半数以下 読売新聞 9月10日(月)14時32分配信 4月施行の改正民法で、子どものいる夫婦が離婚する際、養育費や親子の面会交流について取り決めるよう定められたのに、6月までの3か月間で取り決めたのは全体の半数に満たなかったことが、法務省の初の集計で分かった。 取り決めがなくても離婚届は受理されるため、改正の実効性は当初から疑問視されていたが、当事者だけで調整する難しさが改めて浮き彫りになった。 改正民法の施行を受け、法務省は4月から、離婚届の書式を一部変更し、未成年の子どもがいる場合、面会交流と養育費の分担について、「取り決めをしている」「まだ決めていない」のいずれかにチェックを入れてもらう欄を新設した。 同省によると、未成年の子どもを持つ夫婦が合意の上で離婚した協議離婚は、4~6月に計3万2757件。このうち、面会交流について取り決めていたのは1万5622件(48%)にとどまり、「まだ決めていない」が6843件(21%)だった。養育費に関しても、「取り決めた」は1万6075件(49%)で、「まだ決めていない」が6316件(19%)。残りは、いずれもチェックがなかった。 . 以上:1,757文字
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