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母の再婚相手と子が養子縁組した後の面接交渉-裁判例解説3

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平成21年 8月29日(土):初稿
○私も離婚によって最愛の子供と生き別れの状態となりその辛さ・苦しさは私なりに理解しているつもりです。ただ面会を求めて断られた経験は全くありません。むしろ離婚3ヶ月後の子供の満1歳の誕生日にプレゼントを贈るも面会には行かなかった私に対し妻の両親から、誕生日には会いに来てくれると思っていたのに来てくれず残念でしたとなじられるような手紙を貰ったほどです。そして離婚後半年後からは毎月1回ずつ面会に行き成長ぶりをビデオに収めました。

○ですから子供との面会を求めて厳しく断られた経験がなく、妻から理不尽に面会を断られ続け悔しい思いをしている方の気持は実感としては理解出来ません。ですからこの問題に関する記述は、子供と会わせて貰えず悔しい思いをされている方々への心情に対する配慮が不足し反発されるものと思われます。

○私自身は、もし前妻の再婚が決まり、我が子と一緒に暮らす新しい父親が出来た場合、その父親に感謝し、我が子との面会もしばらくの間は控えたはずと理屈上は考えています。何よりも子供の現実の生活を大事にすべきと確信し、四六時中一緒に暮らす現実の生活からすれば、僅かの時間の面会は、ままごとみたいなもので、これにより現実の生活の妨害になるようなことはすべきでないと思っているからです。

○平成8年4月30日横浜家裁審判例では、「父母のうち監護教育を担当しない親(以下「非親権者親」という。)も、可能な限り親権者親による未成熟子の監護教育に協力することが重要」と述べながら、「この面接交渉の目的及び性格からすると、その実施によって子の心身の成長上好ましい結果がもたらされる場合でなければ、これを肯定すべきではない」とも述べており、至極妥当と共感します。

○そして
①離婚に至った原因・経緯等から父母間の対立が激しく、親権者親が非親権者親による面接交渉に強く反対している場合にあっては、親権者親の意思に反する面接交渉が強行されることにより親子間に感情的軋轢等が生じ、これによって子の福祉を害する事態が想定される
②とりわけ、未成熟子が低年齢であるとか、心身に障害をもっているとかいった場合には、親権者親の協力なしには円滑な面接交渉が事実上不可能であるため、親権者親の意思に反する面接交渉を強行することによってもたらされる不利益が大きい
③親権者親の意思に反した面接交渉は、例えば、進学問題など、子の監護教育上親権者親が非親権者親の協力も得て解決すべき重要な問題が発生しており、これに適切に対処するには親権者親の意思に反しても非親権者親に子と面接交渉させるのでなければ子の利益を十分に保護することができないといった、特別の事情が存在すると認められるときでない限り、これを回避させるのが相当

のべ父母間の対立が厳しい場合の面接交渉要件を厳しくしており、私自身もこの考え方に近いものです。

○父母間で激しい対立があり、母の拒絶に反して面接交渉を強く要求する行為は、父と母がそれぞれ子供の片手を引っ張り合い、子供にとって身を裂かれるような苦しみを感じる場面もあるような気がします。大岡越前の守の名裁きの一つに、母と主張する2人の女性に子供の手を引っ張らせて、先に手を離した方が、本当の母と認定した話があります。例えが適切でないと批判されることは覚悟しながらも、本当の父で、子の幸せを考えるなら、子供の痛みを感じて先に手を離す思い遣りがあっても良いのではと考える次第です。
以上:1,413文字

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