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平成17年12月27日(火):初稿 |
○性関係を伴う男女関係が、片方の納得を得られないままどちらかの一方的都合で解消された場合、納得できず解消された側の当事者が解消を求めた当事者に対し慰謝料等の損害賠償請求が出来ないものかと我々弁護士等法律専門家を訪れます。 ○男女関係が性関係を伴ったからと言って、その関係を一方的に解消されたことを理由に必ず損害賠償請求が出来るとは限らず、平成17年12月26日更新情報で紹介した誠心誠意の結婚の約束があったとして婚姻予約が成立が認められて初めて損害賠償の問題が生じるのが原則です。 ○男女関係は単なる友人から、恋人同志、婚約者、配偶者と発展していきますが、婚約に至らない恋人同士の段階では一方的な解消があっても損害賠償責任問題は生じないのが原則です。但し、法律的には婚約が認められなくても当事者の一方に著しく違法な言動があってそれが不法行為と評価される場合慰謝料等損害賠償責任が生じる場合もあります。 ○婚姻予約(婚約)とは、将来の結婚するという約束ですが、婚約が成立したのに何時まで経っても結婚を実行しようとしない相手に対し、結婚届書に署名押印して結婚届出をせよと言う強制が出来ませんかという相談がたまにあります。 ○しかしこれは、到底、出来ません。いくら婚約が成立しても嫌がる相手方に無理矢理結婚届出書を作らせ、無理矢理同居させることは法律上は出来ません。極端な例として、刃物を示して書かなければ身体に危害を加えると脅して結婚届出を書かせ、更に無理矢理同居させた場合、脅迫罪や監禁罪等の刑法上の問題になります。 ○婚約が成立した場合の法的な効果は、結婚の約束を守らない即ち一方的に婚約を解消した者に対し、慰謝料等の損害賠償請求が出来るだけです。しかもその解消について正当な理由がある場合は損害賠償請求は出来ず、婚約が不当に破棄された場合にだけ損害賠償責任が生じるだけです。 ○婚約が解消された場合、解消に「正当な理由」があるかどうかを巡っては、婚約が成立したかどうか以上に、山のように判例が積み重ねられています。「正当な理由」の主張立証責任は解消した側の当事者にありますが、婚約解消の根本原因は相手に対する「気持が離れた」ことにあり、この「気持が離れた」理由にやむを得ない事情があるかどうかが判断されます。多くは他の異性が好きになった場合がありますが、これは原則として正当な理由には該当しません。 ○私が繰り返し主張している家庭学校論、夫婦戦場論の考え方では、婚約したからと言って安心しないで「相手の気持ちを掴む」を努力を怠らないようすべきです。金銭賠償という縛りで「相手の気持ちを掴む」ことは出来ませんので。 以上:1,092文字
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