平成17年 2月18日(金):初稿 平成17年 5月15日(日):更新 |
○昨日、夫婦関係は、心が離れたらお終いと書きましたが、それは実質的な夫婦関係はお終いと言う意味であり、実質的な夫婦関係とは、普通に一緒に暮らして家族共同生活を営むことです。 厳格に言えば心が離れても、実質的な夫婦関係が継続している例は山のようにありますが、ここでは、実質的夫婦関係を維持するとの心がある限り、心が離れたとは評価しません。 ○心が離れて、相手の顔を見るもの嫌になれば、普通別居の道に進みます。 戸籍上の夫婦には、同居義務があり、一方的な別居は同居義務違反という違法行為になり、別居された側からの申立で家庭裁判所裁判官から「同居せよ」と言う命令が下される例もあります。 ○しかしいくら裁判官から「同居せよ」と言う命令が下されてもこれを強制的に実現する方法はありません。別居した相手を探し出して、首に縄を付けて引っ張ってくることも、又罰金を課すことも出来ません。相手が自発的に戻ってこない限り「同居せよ」と言う命令はただの紙切れです。 この意味で嫌になって出て行くほどに心が離れたら夫婦関係はお終いと書いたのです。 ○但し心が離れて実質夫婦関係は終わっても戸籍上の夫婦関係がある限り、どうしても免れることが出来ない義務は存在します。それは扶助義務と言って婚姻費用を分担する義務です。例えば夫が出て行っても形式上夫婦である限り婚姻費用支払を求めれば、夫に対し「毎月○万円ずつ支払え」と言う命令が下されます。 ○この命令はお金を支払えというものですから、売買代金や貸金の返還請求と同様に相手方の財産を差押さえて強制的に実現できます。相手方の勤務先が判ればその給料を差し押さえるのが普通です。しかし相手方が勤務先を辞め、且つ何ら財産を持っていないケースでは、いくら支払命令を得ても強制的実現は出来ません。 この場合は正に心が離れたら夫婦関係は実質的には全くお終いです。 以上:772文字
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