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平成14年 7月15日(月):初稿 平成16年10月23日(土):更新 |
以上の体験もあり、私は、弁護士業務はサービス業であり、サービスである以上は、サービスに対する顧客満足が最重要と考えるようになりました。離婚に関していえば、離婚に至った状況についてご本人に納得して頂く情報を提供することが最も重要と考えています。 そこで私は、離婚相談に来た方々に先ず結婚生活が破綻する最大の原因は何だと思いますと質問します。大抵の方は、色々ありすぎて選ぶのは大変ですが、強いて挙げるとすれば相手に対する思いやりがなかったことでしょうかと答えます。そこでどうして思いやりが無かったのでしょうかねと、質問しますと、答えに詰まります。 そこで私は思いやりがなかったと言うことは、相手の心情に無関心で、相手をよく見ていなかったと言うことではないでしょうかと、説明します。離婚の相談では、浮気だ、借金だ、暴力だ……等色々な問題点があげられますが、私の感想では、そこに至る究極の原因は、「お互いに相手をよく見ていなかった」ことに尽きます。相手が「何を考え、何を欲しているか」についてあまりに不注意過ぎたということです。 相談者には、「よく見ていない」ことに気付かないまま、破綻の原因は一方的に相手にあると主張する方も多いのですが、私は、男女問題については、第三者が客観的に見て一方のみが100%悪いというケースは100%ないと断言しても良い位ですとも説明します。 依頼者は、離婚を同意しない相手と離婚したい、又慰謝料をいっぱい取りたいということで相談に来ます。しかし、私は、離婚事件における弁護士の役割について、究極的には、少しでも納得できる離婚になるようにお手伝いすることと考えております。納得できない離婚は「うらみ」が残って後々まで尾を引き、再出発に悪影響を与えるからです。 ■この辺で岩瀬氏の東弁専門講座「子の監護に関する諸問題」でのご感想の話、名言「依頼者には優しく、しかし依頼心には厳しく」ー全弁護士が肝に銘ずべき 少しでも納得できる離婚とは、男性側の場合は、先に述べた「女のこわさ」をよく自覚し、又、自分自身が相手を「よく見ていなかった」ことを心から理解しての離婚と思います。 ■「女のこわさ」は省略、その理由はコンパニオン論争 以上:915文字
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