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不倫の法律-独占使用権侵害説

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平成12年 6月 1日(木):初稿 平成17年 1月 8日(土):更新
不倫について考える-法律構成その一
■初めに
これまで「力」で人の心を縛ることが出来ないことを色々な角度から繰り返し述べてきました。もうウンザリしている方も多いと思いますので、今回からは、現在激増していると言われる不倫について、家庭を維持するとの観点から少し掘り下げて考えてみます。

■不倫の法律構成-独占使用権侵害説
不倫とは、人倫即ち人の道に反することですが、一般には配偶者以外の相手と性関係を持つこととして使われており、ここでもその意味で使用します。

結婚によって夫婦となった男女は、同居協力扶助義務の外にお互いに不貞行為はしないという貞操義務を負います。これは不貞行為は離婚理由になると言う形式で規定されています。
貞操義務とは、お互いに配偶者以外とは性関係を持たないと言う義務です。この義務を逆に言うと夫婦はお互いを独占して使用する権利を持つと解釈されました。その結果、夫婦の一方と性関係を持った第三者は、片方の独占使用権を侵害したことになり、それによる精神的苦痛に対する慰謝料請求が出来ることになったのです。

夫Aが、部下の女性C女と性関係を持った場合、夫Aと部下のCは共同で妻Bの独占使用権を侵害する共同不法行為を行ったとも説明されます。その結果、妻Bは、夫AとC女に対し、これによる精神的苦痛に対する慰謝料請求が出来ます。
但し、最近、増えているケースである既婚者同士の不倫、要するにA男B女夫婦のA男と甲男乙女夫婦の乙女が性関係を持った場合、B女は乙女に対し損害賠償請求が出来ると同時に、甲男もA男に対し損害賠償請求が出来るので、結局、B女が慰謝料を取っても、甲男に取り返され、結局、相打ちとなり、お互いに慰謝料請求は出来ない結果となります。

ホームページでも不倫相談は花盛りで、あるBBSでは、この独占使用権侵害説の立場に立ってやたらと不倫相手に対する慰謝料請求の内容証明郵便を出すことのみをアドバイスしています。しかし、家庭学校論、家庭戦場論の立場では、不倫が発覚した場合、正に学校、戦場の正念場であり、やたら慰謝料請求を振りかざすのは愚の骨頂と捉えます。
(平成14年 3月 1日記)
以上:894文字

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