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”弁護士会の怠慢問う 福岡の詐欺事件 被害者 賠償求め提訴”雑感

平成26年 7月 1日:初稿
○いよいよきたか、これから弁護士会大変だなと感じました。弁護士自治について日弁連HPでは、「弁護士が、その使命である人権擁護と社会正義を実現するためには、いかなる権力にも屈することなく、自由独立でなければなりません。そのため、日弁連には、完全な自治権が認められています。弁護士の資格審査、登録手続は日弁連自身が行い、日弁連の組織・運営に関する会則を自ら定めることができ、弁護士に対する懲戒は、弁護士会と日弁連によって行われます。弁護士会と日弁連の財政は、そのほとんど全てを会員の会費によって賄っています。」と解説されています。

○弁護士自治の内容は、①弁護士会への入会審査、②組織運営、③懲戒権行使の3つに大別されますが、①、②は当然として、③が重要です。例えば法務省が弁護士業務に関する懲罰権を持つとすれば、法務省の顔色を伺わなければならなくなり、特に国家と対立する事案で敢然と立ち向かうことができなくなるおそれがあります。そこで懲戒処分についても弁護士会に自治が認められているのですが、最近は、「弁護士と闘う」なんてHPもできて、弁護士の懲戒処分が広く世間に知らしめられ、弁護士会は身内に甘いと言う評価も定着しつつあります。

○日本国の犯罪に対する刑罰は甘すぎると言うのが私の確信ですが、実は、弁護士会の懲戒も甘いなと確信しております。毎月日弁連機関誌「自由と正義」が届くと最初に目を通すのが、懲戒事例記事ですが、えっ、この事案で「戒告」ですむのかと感じることが良くあります。自治が与えられている以上、「身内のかばい合い」なんて見られないよう、より厳しく行使すべきと思うのですが、実情は、世間からは「身内のかばい合い」と評価されてもやむを得ない事例が結構あります。

○「弁護士巨額横領事件検証委員会報告書(要約)を読んで1」以下に記載した元岡山弁護士会所属弁護士の横領行為についても、相手が弁護士会でなければ、所属会に責任追及の訴えが提起されてもやむを得ないと感じていました。しかし、弁護士会責任追及を引き受ける弁護士が見つけるのは困難と思っていましたが、一足先に福岡弁護士会に訴えが提起されました。

○「提訴に当たり、原告側は刑務所で元弁護士と10回以上面会」との記載を見ると、用意周到に訴訟提起準備をしていたようです。代理人に弁護士がついているかどうかが興味あるところですが、ついているとすればその勇気には感服します。私なんぞは、とても、そんな勇気はないからです(^^;)。

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弁護士会の怠慢問う 福岡の詐欺事件 被害者 賠償求め提訴
西日本新聞2014年6月29日掲載

 福岡県弁護士会に所属していた男性元弁護士(53)から現金をだまし取られた同県内の会社2社と不動産業の男性(69)が、被害に遭ったのは県弁護士会が指導監督を怠ったためだとして、県弁護士会に被害金など計約2億3千万円の賠償を求め福岡地裁に提訴した。県弁護士会には、問題を公表する約2年前から元弁護士に対する苦情が繰り返し寄せられていたが、踏み込んだ調査をしておらず、その責任が法廷で問われることになった。

 元弁護士は「仮処分の費用が必要」などとうそを言って、原告の2社からは2010年10月~11年12月にそれぞれ約1億6千万円と5600万円を、不動産業男性からは12年1月に600万円をだまし取った。元弁護士は原告を含む4社と6人から計約4億6900万円を詐取、横領したとして同年10月、福岡地裁で懲役14年の判決を受けて服役中。自己破産が確定している。

 訴状によると、県弁護士会に「(元弁護士が)相手方からの示談金を支払ってくれない」と苦情が寄せられたのは10年夏ごろ。当時の弁護士会幹部は、元弁護士と依頼者との面会に立ち会って約1千万円を支払わせたが、支払いが遅れた理由などは調べず後任の執行部にも引き継がなかったという。

 11年度にも複数の依頼者から「預けた金を返してくれない」などの苦情があったが、県弁護士会は詳しい調査をせず、懲戒手続きを始めたのは12年3月だった。被害者から批判を受け、県弁護士会は当時の対応を検証し「不適切だった」とする調査結果をまとめた。

 取材に対し県弁護士会は「訴状を確認した上で対応を検討したい」と答えた。

●「顔なじみばかり。何の調査もない」 服役の元弁護士 身内意識 犯行誘発
 「調査に訪れた弁護士会の幹部は顔なじみばかり。厳しい追及はほとんどなかった」。詐欺罪などで服役中の元弁護士(53)は、原告側の聞き取りに対し、福岡県弁護士会のずさんな調査実態を明かした。国の不当な圧力を防ぐため、弁護士の懲戒処分権限は弁護士会に与えられているが、身内に甘い“自治”が被害を拡大させた形だ。

 提訴に当たり、原告側は刑務所で元弁護士と10回以上面会。県弁護士会の指導や調査内容を聞き取り、陳述書にまとめて証拠として福岡地裁に提出した。

 陳述書などによると、元弁護士は2010年夏、同じ大学出身で1期下の副会長(当時)から「あなたが示談金を払ってくれない、という相談が来ている」と電話があった。数カ月前に交通事故の示談金約1千万円を受け取りながら流用していた案件だった。

 元弁護士は「忙しかったので支払いが遅れていた」と釈明。別の預かり金を流用するなどして支払いを済ませると、県弁護士会から事情聴取は受けなかった。

 以降、元弁護士は「弁護士会は何の調査もしない」と大胆になった。預かり金の横領だけでなく、依頼者にうそを言って多額の現金をだまし取るようになった。

 翌11年5月と8月にも、同じ大学出身の同期の副会長(同)たちから「弁護士会に苦情が来ているので心配している」などと言われ、請け負っている訴訟の一覧表提出を求められたが、面談を断ると、それ以上の追及はなかった。

 元弁護士は「甚大な被害を与えた私が、自分のことを棚に上げて弁護士会の監督責任などを訴える資格はない」と認めつつ、「弁護士会が積極的な調査をしていれば、もっと早く明らかになった可能性が高いと思う。弁護士には互いに尊重し合う土壌があるので、監督が遠慮がちで慎重になる傾向があると考えていた」と明かした。

 原告の会社社長らは「元弁護士を許せないのはもちろんだが、弁護士会の姿勢も仲間同士のかばい合いとしか思えない」と憤っている。

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