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追突事故頚椎捻挫後の自殺に10%の寄与度を認めた判決理由全文紹介1

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平成26年10月24日:初稿
○追突事故により負傷した被害者がうつ病と低髄液圧症候群に罹患した上、自殺した場合に、自殺に関しては10パーセントの寄与度が認められた平成24年4月16日徳島地方裁判所判決(判時2226号83頁)の裁判所の判断部分を4回に分けて紹介します。


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第三 当裁判所の判断
一 本件事故と亡X1のうつ病との因果関係

(1) 前提事実のとおり、亡X1は、本件事故後、首から肩に疼痛、嘔気、めまい、頭重感などの身体症状を訴え、三好病院、藤内病院、住友病院、徳大病院整形外科と受診したが、いずれの病院においても神経学的異常が認められなかった。
 そのため、亡X1は、住友病院からは心療内科的ケアを勧められ、徳大病院整形外科からも経過不良のため不安感が強く悪循環を形成しているように見受けられるとして同病院精神神経科の紹介を受け、同科を受診し、うつ病(中等症うつ病エピソート)との診断を受けたものである。

(2) 証人Dの供述書及びC鑑定によれば、交通事故に起因するうつ病の発症はあり得ることが認められるところ、証拠〈省略〉によれば、前提事実に加え、亡X1のうつ病の発症について、以下の事実が認められる。
ア 亡X1は、本件事故までうつ病その他精神疾患の既往はなく、特段の問題なく生活し、a社においてジーンズ服の縫製業務に従事していたが、本件事故による頸椎捻挫に伴う疼痛のため休職した。

イ 亡X1は、三好病院入院中の平成16年1月ころから看護師に対して悲観的な発言をするようになった。また、身体症状の訴えも不定愁訴様となりはじめ、不眠も訴え始めた。これ以前は、むかつきや食欲低下は認められるものの特記すべき気分不良や不眠は認められない。同年3月ころには深い睡眠ができないと睡眠障害を訴え始めた。


(ア) 亡X1は、平成16年3月30日に藤内病院を退院し、これ以後も同病院に通院している。当時、亡X1は、原告X2と二人暮らしであった。
 亡X1の自覚症状は、同年5月ころ、著しくなったが、同人は、症状が大分良くなったと感じていた。しかし、同年6月、針治療を受け、同人は、その後の住友病院や徳大病院精神科での治療において、当該針治療で太い針を深く刺されたときに左の歯、手先、足先に鋭い痛みを感じ、以来、首の痛みが酷くなったと訴えている。
 また、同年6月、原告X2がアルツハイマー型の認知症で徳大病院精神神経科を受診しており、同人は、その後、三好病院を受診していることから、遅くともこの頃には認知症の症状が現れていた。しかし、同人は、自分は大丈夫であるとしてヘルパーやショートステイの利用を拒絶している。

(イ) 亡X1は、この頃から特に悪心、嘔吐、意識障害をきたし、平成16年6月19日に「この痛みは自分のせいだろうか」といらつきを訴え、やや抑うつ状態がみられるなど精神的に不安定になりはじめた。

エ 亡X1は、同年8月18日に徳大病院精神神経科を受診した際、自分の体のこと、仕事ができないこと、夫が認知症気味なことなどいろいろなことが不安でたまらないと訴えている。

オ 亡X1は、同科入院中も通じて前記首から肩にかけての疼痛や頭痛、不眠などの身体症状を訴え、今後の身体症状の改善、作業療法などの今後の治療についての不安を訴えている。さらには、同科入院中に抗うつ剤使用の副作用によって肝機能障害が生じたことから、薬に対する不信感を持つようになった。
 また、車と正面衝突する夢を見たなどして再び車を運転することに対する不安を訴え、他にも事故によって働くことができなくなったこと、夫の認知症及びこれに伴う介護、本件事故の処理などへの不安や本件事故に係る被告及び保険会社の対応に対する不満を訴えた。

カ 亡X1は、平成17年に入ると徳大病院精神神経科の担当医師であるE(以下「E医師」という。)に対して、原告X2が周囲から粗大ゴミのようなものを大量にもらい部屋に置いていることや原告X2が言うことを聞かないこと、自動車を運転しようとすること、施設のパンフレットを集めたことを義弟に非難されたことなどを話している。
 また、徳大病院精神神経科退院後の通院期間中は、自身について家事に対する意欲がわかないことや食事の用意、洗濯はできるが掃除ができないなど家事の負担感があることを、原告X2について認知症が進んでいるが自覚がなく自動車を運転しようとする悩みや原告X2が亡X1の病気について理解してくれず亡X1に家事をさせたりして気分的に落ち込むことがあること、原告X2から「お前はもう働く気がないんやな」と言われ傷ついたことなどの不満などを訴えている。
 平成18年2月9日には、娘の夫の父の金銭面のことで相談されストレスになったと訴えている。


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