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2012/ 2/ 1 第70号 サルの正義と弁護士の正義(1)

平成24年 2月29日:初稿
横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

 評論家の呉智英に、「サルの正義」という、とても面白い評論集があります。既に20年以上前の本ですが、いまでも全く古びていないんですね。

 題名の「サルの正義」というのは、中国の「朝三暮四」の話からきています。サルの好きな人がいて、沢山のサルを飼っていました。ところが、サルの餌代が大変になってきたわけです。そこで、サルたちに向かって、「餌の木の実をこれからは、朝に3個、夕方に4個あげよう。」と提案したんです。そうしますと、サルたちは歯をむき出して怒りだしたそうです。

 そこで次に、「よし分かった。それならば、これからは木の実を、朝に4個、夕方に3個あげよう。」と話したところ、サルたちは涙を流して喜んだというお話しです。

 朝3個・夕方4個でも、朝4個・夕方3個でも、一日に貰える木の実の数は同じです。実質的には同じことなのに、あるときは怒りに身を震わせ、あるときは泣いて感激する。ものが分からない人のたとえですね。

 著者の呉智英によりますと、世の中には、このサルのような人たちが溢れているというんです。

 たとえば、「氷が溶けると何になるか?」という問題を出された小学生の話しが有りますよね?多くの子供が「水になる」と答えるなかで、「春になる」と回答した子供がいたという話しです。

 これが試験問題だとしたら、「水になる」が正解で、「春になる」は不正解となります。当たり前のことですね。ところが、これについて新聞の社説などで、「春になる」を不正解とするのはおかしい等と取り上げられたわけです。これは、左の朝日新聞でも、右の産経新聞でも、全く同じように取り上げられたというんです。「氷が解けると春になる」と答えるのは、常識的な考えに囚われない、自由な発想だというわけですね。

 ところが、入試の時期になると、多くの新聞は、手のひらを返したように、「入学試験にクイズのような難問奇問を出すことはおかしい。

 基礎学力をしっかり問うような問題をだすように。」などと書くんです。

 呉先生はこういう新聞のありように、大変お怒りです。氷が解けると「水になる」と回答するのが、基礎学力ではないのか。「春になる」というのは、クイズのような難問奇問どころか、クイズそのものではないか!ということです。

 実体は同じことなのに、クイズのような回答を、あるときは「自由な発想だ!」といって持ち上げ、また別のときは「難問奇問だ!」と言って攻撃する。これはまさに、典型的なサルの正義だというわけです。ここまでは良いのですが、呉先生はさらに「サルの正義」の例として、賃貸住宅の礼金の問題を取り上げています。言うまでもなく、礼金というのは、入居にあたり賃借人が家主に「お礼」として支払うお金ですね。なんで借りる方が家主に対して「お礼」をしなくてはいけないのか、そんなのおかしいじゃないかというのか、新聞の論調だったわけです。

 呉先生によりますと、こういう論調は、典型的な「サルの正義」なんだそうです。「礼金」がダメなら、「一時金」なら良いのか?礼金分だけ毎月の家賃に上乗せしたら許されるのか、というわけです。

 一方、「礼金」や「更新料」がおかしいというのは、多くの弁護士の主張する「正義」でもあるようです。その辺のところを、次回検討してみたいと思います。

 
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 弁護士より一言

 小学校5年生の長女は歴史の勉強をしています。これがかなり難しいんですね。私の知らないことが、一杯出ています。質問されても答えられないことが何度かあり、パパに対する娘の信頼が揺らいでいたようです。

 先日娘から、「パパは、ハラタカシって、知っている?」と聞かれました。さすがに「原敬」くらい知っていると答えると、娘は言ったのです。

 「パパって、意外と古いんだね!」あ、アホか!パパは中大兄皇子や源頼朝だって知ってるんだぞ!!

 (2012年2月1日第70号)
以上:1,574文字

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