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初めての公判整理手続事件-苦労を報う被告人の言葉

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平成20年 6月 3日(火):初稿
○先日、私にとっておそらく最初で最後になる裁判員制度想定の公判整理手続を経た国選刑事事件を経験し、「慣れていないため大変しんどかった」と感じましたが、判決後、被告人から「きちんと償ってまいります。」と感謝の手紙を頂き、苦労が報われた思いでした。これまで国選刑事事件の被告人から事件終了後感謝の手紙を貰うことはさほど多くなかったからです。

○これまでの調書裁判国選刑事事件と比較し、今回の裁判員制度想定の公判供述中心裁判は、慣れていないため手間暇が少なくとも3倍以上かかったと感じました。しかし、後から振り返るとあれもやれば良かった、これもやれば良かったと反省する点も多々あり、今度やる機会があるなら、あれもしよう、これもしようと僅か1回ですが、百巻の文献より1回の実務経験の方がずっと役立つことを実感しました。

○私としては多々反省点があり、不十分な仕事だったと思っていましたが、結果の判決内容は私自身の予想範囲内で、大変バランスの取れた妥当なものでした。検察官の求刑は結構大きなものでしたが、弁護側の主張も十分取り入れて頂き、何より被告人自身も納得し「きちんと償ってまいります。」と伝えてきたことに安堵しました。

○被告人からの手紙には、「公判日に同行した警察官の方が、国選なのにきちんと上手く答弁してくれ、凄く感心しておりました」とありましたが、あの程度の弁論で感心されると言うことは、国選弁護人はさほど一生懸命やらない例が多いものと思われます。

○この事件では遠方の警察署に勾留された被告人に半日かけて3回接見し、被告人がこのような犯罪を犯したことのついて何が原因で何が問題だったかについての私の分析等を被告人に詳しく説明しその考えの甘さを相当厳しく指摘しました。それが被告人の真実の更生に必要と思ったからです。

○被告人の手紙で最も感激したのは、被告人の「正直、始めの頃は、私も色々言われたり、頭に来ることもありましたが、私のために言ってくれていると後の方で思いました。」との言葉でした。また「国選弁護士さんにも拘わらず、私のために大変な熱弁をして頂き、有り難うございました。」と伝えて頂き苦労は完全に報われました。

○弁護士はサービス業であり、最終目標は顧客満足ですが、それはお客様から「あの弁護士は私のために一生懸命やってくれた」と思われることに尽きます。これは民事でも刑事でも全く変わりません。しかし残念ながら「刑事弁護人の任務と私が刑事事件を避ける理由」で述べたとおり、刑事事件は私にとって一般的に情熱が持てず不得手であるところ、この歳になって新たな発想を必要とする裁判員制度刑事裁判に取り組む意欲も持てません。

○裁判員制度での法廷供述中心裁判は現行刑訴法の本来の精神を具現するものであり、私もせめて20年若かったら取り組みましたが、刑事事件はこの辺で打ち止めとして民事事件での顧客満足を追及していきたいと思っております。
以上:1,205文字

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