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不貞行為第三者責任についての優れた論文紹介2

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平成24年 2月28日:初稿
○「不貞行為第三者責任についての優れた論文紹介1」を続けます。この論文、作者岩月浩二弁護士の名から岩月論文と略しますが、はじめにと記載した
我々が扱う日常の法律実務では、配偶者の存在を知りながら、肉体関係を持った第三者は、他方の配偶者に対して、不法行為責任を負い、慰謝料支払義務を免れないことが当然の前提とされている。
 しかし、基本的に夫婦が他方に対して負担している貞操義務は、本人の自由意思に依存しているものであり、また、自由意思を拘束するのは、他方配偶者に対する私的な約束である。すなわち、不貞行為による第三者の責任とはそもそも債権侵害による不法行為に他ならず、原則的にいえば、被害者たる他方配偶者を害する意図がない限り、第三者が不法行為に問われるのは奇妙なことである。
 学説・判例が、不貞行為による第三者の不法行為の被侵害法益(被侵害利益)について、帰一するところがないのは、本来、債権侵害に過ぎない類型に対して広く不法行為の成立を認めるために何らかの根拠付を見いだそうとするところに無理があったことによるものと思われる。
 議論の積み重ねの結果、現在、有力な学者のほとんど全てが、不貞行為について第三者の不法行為責任を否定するか、極めて限定的にその成立を認めるに止めるに至っている。
 裁判実務は学説とは異なるとはいえ、有力学説が主張するところは、法理論の赴く結果を示すものであり、裁判実務に当たっても、軽視すべきものではない。
に大感激でした。これまで、このHPで縷々述べてきた私の考えと全く同じだったからです。

○この不貞行為第三者責任についての初期の学説は、通説として我妻説が引用されているが、ここには「この問題が相手方配偶者の自由意思に依存していることの特殊性や、配偶者の人格的な独立に関する問題意識は全く窺われないといってよい。 」と記載されていますが、これまた、全く同感です。私は、平成11年12月1日作成の鶴亀通信第6号補足解説で、「そこで外圧で夫婦婚姻関係の維持を図ることは止め、あくまで当事者間の意思に任せようという風潮が全世界的に強くなっております。
 やがては不倫相手の損害賠償義務を否定するのみならず、夫婦当事者間でも不倫の損害賠償義務が否定される時代が来るかも知れません。夫婦間の貞操はあくまで個人の完全自由意思で守るべしとの考え方です。
それにより世の中不倫だらけになるか、或いは秘密性が無くなることで却って意欲減退し逆に減るかは予測が付きません。
」と記載していました。

自然の愛情故の責任無し昭和50年12月22日東京高裁判決の「訴外Fと控訴人とは、訴外人のさそいかけから自然の愛情によつて情交関係が生じたものであり、控訴人が子供を生んだのは母親として当然のことであつて、訴外人に妻子があるとの一事でこれらのことが違法であるとみることは相当ではない」との判断が適切で、昭和54年3月30日最高裁判決が、「夫婦の一方の配偶者と肉体関係を持つた第三者は、故意又は過失がある限り、右配偶者を誘惑するなどして肉体関係を持つに至らせたかどうか、両名の関係が自然の愛情によつて生じたかどうかにかかわらず、他方の配偶者の夫又は妻としての権利を侵害し、その行為は違法性を帯びる」と断じたのは、とんでもない時代錯誤と思っております。

○このとんでも最高裁判決に対する学説は、岩月論文によれば、辻朗「不貞慰謝料請求事件をめぐる裁判例の軌跡」(判タ104 1号29頁・平成12年)に詳しく記載されており、「総じて肯定説が11、否定説が13であるが、新しい論考ほど否定説が多いこと、また、有力な学者ほど否定説ないし限定否定説が多く、かつ性差別に敏感な論者ほど完全否定説が多い」とのことですが、私もじっくり読んで勉強させて頂きます。
以上:1,564文字

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