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不倫について考える

平成11年 6月 1日(火):初稿 平成17年 2月 6日(日):更新

不倫(浮気)について考える。



男女特集も今回で4回目-不倫特集です。前号の最後に次回は不倫特集と宣伝したところ多くの方から楽しみにしていますとの励ましをいただきました。

 実際、自分自身がこの問題で悩んでいない人でも不倫については相当関心が強いようです。性に対する欲求は人によって相当の個人差がありますが、この欲求は、人類存続のための根源的欲求であり、不倫問題に関心が強いのは当然のことでしょう。尚、不倫とは辞書を見ると「人の道に背くこと。特に異性関係において道徳に反すること。」と記載されていますが、ここでは、婚姻関係にある一方の配偶者が他方の配偶者以外の異性と性関係と持つことと定義しておきます。

 離婚事件を扱っていますと不倫が絡むケースが結構多くあります。私は,離婚の究極の原因は「相手を見ていなかった」ことに尽きると繰り返し述べてきました。不倫が離婚問題に発展するケースも、全く同じです。逆に言うといくら浮気を繰り返す夫でも妻の心情をよく見て、臨機応変に適切に対応している場合は、離婚に至らないようです。

 但し、離婚には至らなくても、老後になって手痛いしっぺ返しを受けるかも知れません。夫の浮気を知って妻が悔しい思いをしても、離婚によって食えなくなること、或いは世間体等を考えて我慢している場合、根に持って夫が弱い立場になる老後に復讐される可能性は強いでしょう。心当たりのある男性陣は、復讐されないよう十分に妻に尽くしておく必要があります。


 円満結婚生活とセックス

 男女特集2、3で夫婦関係を良好に保つ方法を考えてきました。これに対して、年齢50代前半に達したAさんから次のような趣旨のご意見がありました。
 口には出しにくいのですが、離婚の原因の根っ子の大きな要件として”夫婦間のセックス”がいつも影に隠れていると思っています。私は、結婚25年になりますが、いまでも週に少なくとも1度は夫婦間のセックスを持ち、夫婦円満を維持しています。夫婦不和の最大の原因は”セックスレス”ではないでしょうか」


 お見事!脱帽です!

 お見事!脱帽です!といえる立派な心がけです。
 凄い人も居るものだと驚嘆の声を上げる中高年男性も多いことでしょう。しかし、上には上があります。記憶が曖昧ですが、だいぶ昔、石原慎太郎氏の著書で、毎日「つとめ」を果たすのが夫の義務と信じ込み、出産等を除き結婚20数年間、毎日「つとめ」を果たした男の話を読んだことがあります。もっと凄いですね。しかし、慎太郎氏はこれは「つとめすぎ」であり正常とは思えないというようなコメントをしていた記憶があります。当時若かった私はその凄さを実感できませんでしたが,今は慎太郎氏のコメントと同感です。Aさんの場合は、その話が本当だとすれば正に理想的でしょうが、言うは易し行うは難しの典型でしょう。


 離婚とセックス

 離婚問題で相談に訪れる中高年の方は、殆どが、ここ数年から長い人は20年以上も夫婦間のセックスがないと告白します。夫婦間の性関係はうまくいっているけれども離婚したいという例は聞いたことがありません。逆に夫の性欲求が強すぎ、これに付き合うのが嫌で離婚したいとの妻の相談例は、僅かですがありました。男性が色々な意味で弱くなってきた今の時代には、かような妻の悩みは贅沢な悩みだと言う方が多いのではないかと言ったら女性に叱られますかな。
 いずれにしても夫婦間のセックスは,全くなくなるのも、又、逆に相手の意志に反するほど多すぎるのも夫婦関係円満維持には赤信号が点っていると理解していいでしょう。Aさんご指摘のとおり夫婦間の性は、夫婦間の核心と言える重要なものです。

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