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平成 9年 8月 1日(金):初稿 平成17年 2月 6日(日):更新 |
5. 男女間破綻に至る究極の原因 離婚の相談では、浮気だ、借金だ、暴力だ……等色々な問題点があげられますが、私の感想では、そこに至る究極の原因は、「お互いに相手をよく見ていなかった」ことに尽きます。相手が「何を考え、何を欲しているか」あまりに不注意過ぎたということです。 「よく見ていなかった」典型例として、妻のA女が離婚を要求し、夫B男が承知しない場合、B男は、自分に浮気・暴力等の離婚原因がないのにA女が離婚を要求するのは身勝手であると主張する場合があります。 確かにA女は身勝手かも知れません。しかし、問題はA女が身勝手に離婚を主張するまで、B男がA女の心情を「よく見ていなかった」ところにあります。浮気だ、暴力だと明らかな離婚理由があるほうが、「よく見ていない」という点では軽症です。形式的な離婚原因がないのに離婚を請求される方が「よく見ていない」点では重症なのですが、ここのところは、中々理解して貰えません。 又、相談者の殆どは、破綻の原因は一方的に相手にあると主張します。しかし、男女問題については、第三者が客観的に見て一方のみが悪いというケースは100%ないと断言しても良い位です。 6.離婚事件における弁護士の究極の役割 離婚を同意しない相手と離婚したい、又慰謝料をいっぱい取りたいということで相談に来ます。しかし、私は離婚事件における弁護士の役割は、究極的には、少しでも納得できる離婚になるようにお手伝いすることと考えております。納得できない離婚は「うらみ」が残って後々まで尾を引き、再出発に影響するからです。 少しでも納得できる離婚とは、男性側の場合は、先に述べた「女のこわさ」をよく理解しての、又、自分自身が相手を「よく見ていなかった」ことを心から理解しての離婚と思います。 7. 結婚の究極の目的 明るく楽しい老後を迎えること結婚の究極の目的は何かと問われたら、私はいつでも「明るく楽しい老後を迎えるため」と答えております。若いうちは男女とも身体も壮健で、バリバリと遊びも仕事も出来ます。しかし、年を取るにつれ、身体も弱まり、足腰も視力・聴力も衰え、お互いの助けがより必要になります。しかも、仕事は現役を引退し、子供たちも独立し、夫婦だけで一緒に居る時間が若いときよりずっと長くなります。 この老後に、お互いに弱いところを補いあい、慈しみあいながら明るく楽しい老後の生活をして、お互い「今度生れてくるときも又一緒になろう」と言いながらこの世をおさらばできたなら、最高の理想の夫婦でしょう。しかし、この理想の実現は至難の業です。ある本にこういう理想の夫婦は10組に1組位しかないと書いていましたが、私も同感です。 勝新太郎氏の葬儀の時、妻の中村玉緒氏が、「今度生れてきても勝新と一緒になる」と言ったそうですが、勝新の生前の行動を見ると、本当にそうかなと思います。双方役者夫婦であり役者としてのパフォーマンスを感じました。 では、お前はどうかと問われた場合、結婚は2度目で気をつけているつもりですが、未だに理想の夫婦になれるかどうか全く自信がありません。今後の努力如何です。 8. 明るく楽しい老後を迎えるための心構え(予告) では、明るく楽しい老後を迎えるためには、どの様なことに気を付けるべきでしょうか。それは男性側から言えば、「女のこわさを自覚し」、「相手をよく見る」ことに尽きると思います。 しかし、これが中々至難の業です。鶴亀通信第3号男女特集その2で、具体例をあげて、この「心構え」についての私なりの感想を披露致します。 以上:1,482文字
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