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老後の旅行希望

平成13年 9月 1日(土):初稿 平成16年 9月23日(木):更新
一緒に旅行したい人のアンケート 結果

 話しは飛びますが、最近、ある新聞で次のような記事を見ました。
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60代夫婦はすれ違い?
旅行に行くなら:男性は妻、女性は友人
夫は妻と、妻は友達と-。日本旅行業協会(JATA)が旅行に関する消費者モニターに、旅行の同伴者を聞いたところ、60代の男性は7割以上が「妻」と応えているのに対し、女性で「夫」と回答したのは3割で、すれ違う夫婦の実態が明らかになった。
JATAでは、全国の20代-60代までの男女1500人にインターネットでアンケート調査をした。
調査結果によると、20代男性は「恋人」と応えた人が約3割でトップ。30代になると「家族」が47%、40代は68%でそれぞれトップだった。50代になると、「妻」と答える人が尤も多く45%、さらに60代だと74%だった。
一方、女性も30代、40代と「家族」と答える人が6割を超えたが、50代では「夫」38%と「友人」32%と拮抗。60代になると、「友人」が更に増え45%とトップ、「夫」と答えたのは、33%だった。
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 この調査結果は、次のHPで詳細を確認できます。
http://www.jata-net.or.jp/jatainfo/tokei/010410/index.htm(当時のもの、現在はありません)

◆アンケート調査結果の意味
 このアンケート結果の内60代夫婦のアンケート結果に私は、興味を持ちました。
恋人時代或いは結婚当初は、多くの人は異性と一緒にいること自体が「快体験の共有」と感じるのが普通です。しかし、結婚して一緒にいるのが当たり前になると、一緒にいることの感激が薄れ、一緒にいること自体は、快感とは感じられなくなってきます。

 そして長い年月が過ぎ、夫婦も60代になると、7割以上の夫はいまだ妻と一緒に旅行することが、当然と考えているのに、妻は、3割しか夫とは一緒に旅行したいとは思っていないと言うことで、夫婦の考えに相当ズレが生じてきます。
 このことは60代にもなると、妻にとって夫と旅行することは「快体験の共有」にはならなくなったことを示しています。

 このような結果になるのは、手前味噌ですが夫は一般に妻との行動について夫婦間の絆を深めるための「快体験の共有」という意識がないからではないかと推測しています。
 妻にしてみれば夫の身の回りの世話に行くような気分に囚われながらの旅行より、自由な旅行の「快感」を味わうため「友人」と一緒の旅行を求めているのではと思っております。

 若いときから夫は、妻と一緒の旅行は、「快体験の共有」であると言うことを意識し、妻も十分楽しめるように十分気配りを続けてこないと60代になって妻から「夫」と一緒に旅行したいと言われないでしょうね。
 我が家の場合、妻が60代になる頃、私は、既に70代になっており、60代の妻に70代の私と一緒に旅行したいと言われるためには相当の努力が必要と自覚しております。

◆JATAの分析
 JATAでは、60代妻の心情について次のように分析しています。
60代の男性が妻と旅行に行きたがっているのに対し、同年代の女性は友人と旅行に行きたがっており、夫婦間で意識のすれ違いが顕著に見られる。1999年にJATAが実施した20世紀最後の思い出を創る旅の企画」募集において、夫婦の旅がしたいと答えたのが、60代男性では75%に対し、60代女性では53%という結果からさらに差が開く結果となった。また、女性は40代まで家族旅行中心だが、50代に入ると1人旅、友人との旅行、さらに夫、家族、友人という従来の同伴者ではない関係の人との旅行が増える。ここから、女性が子育て後の生活で人間関係の広がりがあることがうかがえる。特に60代の女性は新しい人間関係の形成に積極的であり、そのためにその他の誰かという、従来の同伴者には当てはまらない人との旅行が増えていると考えられる。

 夫にとっては何とも恐ろしい分析ですが、老後は女性の方が益々強くなるとのこの鶴亀通信で繰り返し述べてきたことが裏付けられています。

◆最後に
 この鶴亀通信では、結婚の究極目的は、夫婦揃っての「明るく楽しい老後」を迎えることと繰り返し述べてきました。
 しかし、現実には、特に夫側にとって「暗く惨めな老後」が待ち受けている例が多いような気がしてなりません。

 今回の通信で言いたかったことは、夫婦関係に限らず、人間関係維持の重要要素の一つが「快体験の共有」であるところ、「不快体験」の感銘力は、「快体験」のそれより遙かに強いので、「快体験の共有」の自覚と実践が重要であるということでした。

 私自身に対する強い自戒の意味もありますが、これを「快体験の共有」の意味について考えるきっかけとして頂ければ幸いです。

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